知恵の結集 伝承願う 暮らし支えてきた編組品

2020年8月16日 05時00分 (8月17日 09時59分更新)
「富山仕立て」の編組品=富山市民俗民芸村で

「富山仕立て」の編組品=富山市民俗民芸村で

  • 「富山仕立て」の編組品=富山市民俗民芸村で
 四角形や六角形の均整な編み目は、手仕事ならではのこだわりと温かみが感じられる。年月を重ねた変化で深まった色合いは、庶民の生活を支えてきた歳月の長さを物語っている。
 編組品(へんそひん)は、竹や桜の樹皮などの自然素材を編み込こんで作られた民芸品。形態はかごやざる、靴など幅広く、古くから全国各地の無名の農民らの手によって作られてきた。
 富山の編組品は、かごのふちから底まで竹一本で作る「富山仕立て」という製法で知られる。素材の植物を余すところなく使う律義な県民性が垣間見ることができ、踏まれても壊れない丈夫さが特徴。五箇山などの雪深い地域では、稲わらで作ったかんじきが重宝し、新雪の上でも難なく歩くことができたという。
 人々の暮らしを支えてきた編組品は、工業製品が普及するにつれ、家庭から姿を消していった。富山市民俗民芸村によると、高岡市などで現在も編組品が作られているが、作り手は年々減少している。同村の田尻佐千子学芸員は「昔の人は一つのものを生涯大切に使っていたことをうかがい知ることができる。編組品は人々の知恵の結集」と伝承に願いを込める。(山岸弓華)

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