井手英策 慶応大経済学部教授

2020年8月14日 16時00分 (8月14日 16時00分更新) 会員限定
写真・宮本隆彦                

写真・宮本隆彦                

  • 写真・宮本隆彦                

消費税の増税で皆を「受益者」に

 「幸福の増税論」。一見奇妙なタイトルの新書を読み、その熱い筆致に引かれて会いに行った。対座して、この人は、若いころに抱いた理不尽への怒りを胸に抱き続けているのだと知った。慶応大経済学部教授で財政社会学者の井手英策さん(48)。消費税の増税で「弱者を助ける社会」から「弱者を生まない社会」への転換を訴える。 (宮本隆彦)
 ー「運」で人生が左右される社会を変えたいと主張されています。
 今の世の中には病気や失業などの「落とし穴」がいっぱいある。運悪く穴に落ちた人を自己責任だと突き放し、生活保護などで恩着せがましく助ける社会。これが正しいあり方ですか?誰も落ちないように穴をふさぐ、「弱者を助ける」のではなく「弱者を生まない」世界にしていくべきだというのが僕の哲学です。
 なぜか。それは「助けられる」のは人間に屈辱を刻み込むから。僕は、シングルマザーの母、独身で働き家計を支えてくれた叔母、戦中の勤労奉仕で右腕を失い障害のある伯父に支えられて育ちました。母と叔母は、借金まみれになりながら僕を大学に行かせてくれましたが、大学院生の時に限界に達します。留守番電話に残された「...

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