戦争体験 絵で伝える 金沢市遺児の会が教材制作

2020年8月13日 05時00分 (8月13日 05時03分更新)
絵に込めた思いを語る柴田勝弘さん=金沢市の石川護国神社で

絵に込めた思いを語る柴田勝弘さん=金沢市の石川護国神社で

  • 絵に込めた思いを語る柴田勝弘さん=金沢市の石川護国神社で
  • 金沢市の卯辰山から見た富山の空襲の様子
  • シベリアに抑留され、重労働を強いられる日本人捕虜たち
  • 米兵にチョコをねだる子どもたち。米軍は金沢にも駐留した

柴田会長「子どもに知ってほしい」

 太平洋戦争の遺児でつくる金沢市遺族友の会(遺児の会)が、戦時中に金沢市民や兵隊が体験した戦争の姿を伝える二十一枚の絵を制作した。新型コロナウイルスの影響で戦争の記憶を語り継ぐことが難しくなる中、当時の様子を分かりやすく伝える教材として平和教育に役立てたい考えだ。(小佐野慧太)
 富山大空襲で金沢の東の空が真っ赤に染まった様子や、空襲の標的になるのを避けるため電灯に黒いカバーをかぶせて食事をする家族などを描いた。
 遺児の会の柴田勝弘会長(75)=金沢市=が二年前から図書館で資料を調べたり、戦争体験者に聞き取ったりして、おおまかなデザインを考案。知人のイラストレーターに描いてもらった。今後、ナレーション付きのDVDにすることも検討している。
 柴田さんの父は、兵隊として中国北部に派遣された。戦後の調査で、旧ソ連に抑留され、シベリアで栄養失調のために亡くなっていたことが分かった。絵の中には、抑留中の日本の捕虜たちが吹雪の中で森林伐採や鉄道工事に当たる場面を描いた作品もある。
 柴田さんは「戦争の悲惨さを伝えていくことは、遺児として育った私たちの責務。今の豊かさは、昔の人が苦労を重ねた上にあることを、子どもたちに知ってほしい」と力を込める。
 絵は、小学校での紙芝居などに活用する予定だったが、新型コロナの影響でまだ出番がない。柴田さんは「解説文を付けて、展示パネルとしても使える。機会を探してたくさんの人に見てもらいたい」と願う。展示や貸し出しの依頼は柴田さん=電090(1632)7368=へ。

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