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不適切動員 厚労省調査へ 国の地方就活事業

2020年8月12日 05時00分 (8月12日 10時23分更新)

「事実なら厳正対処」


 厚生労働省が首都圏の若者を対象に都内で開いている地方創生関連イベントの一部参加者に現金が支払われていた問題で、厚労省は11日、委託先の企業をはじめ、各関係先の調査に乗り出した。加藤勝信厚労相は「早急に事実関係を解明し、不適切な事例があれば厳正に対処する」と述べた。(前口憲幸)
 このイベントは、地方での仕事探しを支援する「LO活(ローカツ)プロジェクト」。二〇一五年七月に始まり、本年度まで六年連続で人材派遣大手のパーソルテンプスタッフ(東京)が委託を受けている。総務省がJR東京駅近くに開設した「移住・交流情報ガーデン」を主な会場にセミナーを開き、専門の講師が講義している。
 加藤氏は、集客に関与した関係者が「現金を支払う条件でセミナーの参加者を募った」と証言したとする十一日付の本紙報道を踏まえ、「移住希望のない人に金銭を払って動員するのは、セミナーの趣旨と全く異なる」と指摘した。
 一方、菅義偉官房長官も同日の記者会見で、この問題に言及。セミナーは東京一極集中の是正が目的だとして「潜在的に地方就職への希望を持っている人を掘り起こし、地方就職に向けた動機づけを行う事業」と説明した。
 さらに「一般論」と断った上で「地方での就職希望のない人に金銭を払い、イベントに動員するようなことがあれば、全く適切ではなく、許されないことだ」と踏み込み、事実関係を調査する考えを示した。
 厚労省に情報公開請求した文書と、関与した企業の内部文書によると、セミナーは大学の内外で開かれ、参加は無料。取材で確認できた一七年十二月〜一八年二月に開かれた学外でのセミナーには十四回で計二百四十三人が参加。全十四回で現金が支給され、少なくとも百七十人が一回当たり五千円を受け取っていた。

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