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岐阜県リーグ・東海学院大野球部、女子選手が入部 試合はクラブチームで出場…少子化背景に女子大生と野球をつなぐ新たな取り組み

2025年2月28日 06時00分

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 東海地区大学野球岐阜県リーグの東海学院大(岐阜県各務原市)に女子部員が加わった。普段は同大の野球部員として練習し、試合には愛知県一宮市の女子クラブチーム「東海NEXUS(ネクサス)」の一員として出る。少子化を背景に、女子大生と野球をつなぐ新たな取り組みが始まった。

東海学院大野球部に入部する吉門柚希内野手(左)と佐藤夢美・学生コーチ

 順番にノックを受ける男子の列に女子の選手が1人加わっていた。丁寧にゴロをさばいていたのは岐阜第一高3年の吉門柚希内野手。ノッカーの1人も女子だった。こちらは愛知・啓明学館高3年の学生コーチ、佐藤夢美。2人は2月中旬から練習に参加しており、4月に入学して野球部員になる。
 吉門は昨夏の全国大会でベスト16に進んだチームの主将。男子との練習では、「レベルが高い男子と一緒にプレーできるので、高校のときよりも力がつくと思う」とメリットを実感していた。
 今年、東海学院大には女子4人が入部する予定だ。この受け入れは少子化が進む中での女子学生の確保、創部7年目を迎えた野球部の活性化、両方を実現する新たな手段として期待される。計画が実現へ一気に動きだしたのは、元中日捕手で昨年就任した長谷部裕監督(56)の発想からだった。
 「試合はネクサスで出ればいいのでは?」
 新たに女子野球部をつくるのは施設や人材などの面から現実的ではなかった。女子部員数人なら受け入れられるが、選手として試合で使うのは力量的に難しい。考えた末に思い付いたのが、中日アカデミーで指導していたときに縁ができた女子クラブチーム・東海ネクサスの力を借りることだった。
 ネクサス側の快諾を得ると、昨夏のごろからとんとん拍子で話が進んだ。東海学院大には専用グラウンド、室内練習場など充実した設備があり、男子が使わないときにネクサスに提供できるなど互いのメリットも大きかった。

東海学院大、東海ネクサス、佐久長聖高の女子選手の合同練習

 男子中心の野球部に所属し、試合にはクラブチームで出るという試み。女子学生にとっては新たな選択肢になる可能性がある。学校の女子野球チームは、高校が60ほどあるのに対し、大学は10校ほどしかない。東海エリアには強豪の至学館大があるが、受け皿としては一択だった。
 女子の学生コーチとして入部する佐藤も新たな試みにかける一人だ。「選手としては無理でも、学生コーチならここのみんなと一緒に野球を続けたい」。高校2年のときに肺気胸を患い、選手からコーチに転身した。卒業後は野球から離れるつもりだったが、見学会で野球部の練習を見て心変わり。異例の女子コーチとして大学生活をスタートする。
   ◇   ◇
 長谷部監督が就任2年目を迎え、男子の新入生も大量に加わる。すでに43人が入部予定。8人いる捕手には愛工大名電(愛知)、横浜(神奈川)、岩倉(東京)など全国区の強豪出身者もいる。昨年の岐阜県リーグでは7チームの中で春が3位、秋が5位。1年間の指導をへて「2年生以上はウチの戦い方を理解してきて、自分のやるべきことがだいぶ分かってきた」と成長は感じている。戦力面では、昨年までのレギュラーが抜けた捕手の穴に「誰が出てくるか」を注目している。
 ▼大学野球と女子 1995年に米国出身のジョディ・ハーラー投手が明大で東京六大学リーグに出場。これが全日本大学野球連盟所属チームで初の女子選手とされる。愛知リーグでは96年に初の女子として愛知淑徳大の森島亜矢子内野手がプレー。男子に交じって試合に出た。2005年には中京女子大(現至学館大)が野球部を創設。翌年から愛知リーグに参戦し、男子と試合をした。11年には第1回全国大学女子選手権が開催され、昨年の第14回大会には15チームが参加した。

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