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「レンにはもっと自由にプレーしてほしい」 主将を外れた浦安SH・飯沼蓮を育てるスコットランドと日本代表の先輩たち

2025年2月26日 16時05分

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◇コラム「大友信彦のもっとラグビー」
 23日、山梨県のJITリサイクルインクスタジアムで行われたラグビーリーグワンの東京SG対浦安で、試合前のメンバー表を見て、「おや?」と思った。浦安の主将を示すCのマークが、主将のSH飯沼蓮ではなくフッカー藤村についていたのだ。飯沼はご当地・山梨の日川高出身。さぞ燃えていただろうに…。

東京SG・流と浦安・飯沼の両SH(左から)

 試合後の会見で浦安のグレイグ・レイドロー・ヘッドコーチ(HC)に聞く。同HCは答えた。
 「主将の責任は時にプレーの幅を狭めてしまうことがある。レン(飯沼)にはもっと自由にプレーしてほしいと思った」
 レイドローHCは飯沼と同じSHでスコットランド代表の主将を長く務めた。主将の重責を深く知るゆえの判断だった。
 実際、この試合で飯沼は前半、トライにつながる鮮やかなキックパスを通すなど印象的な活躍で東京SGに35―40と肉薄する戦いに貢献。地元のファンをわかせた。
 飯沼は主将を外れた件をどう受け止めていたのか。
 「試合のパフォーマンスが今まであまり良くなかったし、グレイグ(レイドローHC)と話し合って、いまは自由にやらせてもらう方がいいという結論になりました」
 明大で主将を務めた飯沼は浦安でも加入1年目から主将を任され、昨季は2年目でチームを1部昇格へ導き、今季が3年目。統率力には定評があるが「もっと勉強したい思いもあった」と本人。その分、この日は自由にプレーできたという。
 「グレイグには、目の前のチャンスに直観的に反応しろと言われています。トライにつながったキックパスも、スペースが見えたのですぐにチャレンジしました」
 飯沼はそう言うと「ラグビーを楽しめたし、一歩引いて見ることで、より勉強になりました」と笑顔をみせた。
 この日、東京SGの主将を務めたのもSHの流だった。流もまた、トップリーグ時代のサントリーで入社2年目に主将を任され、日本代表でも主将を務めてきた。流にも飯沼の件を聞いた。
 「主将の宿命だと思います。自分のパフォーマンスを上げなければいけないしチームのことも考えなきゃいけない。彼は若いし、悩んだと思うけれど、乗り越えて欲しい。僕も同じ経験をした者として、助けられることがあれば、ラグビー仲間として力になりたい」
 スコットランド代表と日本代表を主将として率いた先輩たちが、次代を担う若いリーダーを育てようと敵味方を越えて応援している。25歳の飯沼がこれからどんな主将に成長するかが楽しみだ。
 ▼大友信彦 スポーツライター、1987年から東京中日スポーツ・中日スポーツでラグビーを担当。W杯は91年の第2回大会から8大会連続取材中。著書に「エディー・ジョーンズの監督学」「釜石の夢~被災地でワールドカップを」「オールブラックスが強い理由」「勇気と献身」など。
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