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進歩が目覚ましい女子ラグビー、史上最高順位タイの代表「7人制」だけではなく…「15人制」では男子顔負け豪快プレーも

2025年1月29日 14時20分

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◇コラム「大友信彦のもっとラグビー」
 女子ラグビーの進歩が目覚ましい。26日までオーストラリアのパースで開かれていた7人制ワールドシリーズの第3戦で、女子7人制日本代表「サクラセブンズ」は史上最高順位タイとなる5位に入賞したのだ。

ワールドシリーズ第3戦パース大会の5位決定戦で劇的サヨナラトライをあげる19歳の谷山三菜子(中央=©JRFU)


 21年東京五輪では全敗で12カ国中最下位に終わったが、24年パリ五輪では9位まで上昇。そして12月に始まったワールドシリーズでは3大会で7位→6位→5位と着実に順位を上げている。パース大会最後の5位決定戦は、パリ五輪銅メダルの米国に2度も10点差をつけられながら粘り強く反撃。タイムアップ後のラストプレーで最年少の谷山三菜子(19)=日体大=が劇的なサヨナラトライをあげて逆転勝ちした。
 パリ五輪後に就任した兼松由香ヘッドコーチは「ようやくベスト4の壁の前に立つことができました。とても高くて厚い壁です。今大会を経験した13人が2日目の学びを国内にいるサクラセブンズの仲間たちへ伝え、壁の向こう側の景色を全員が想像できるようにこれからも努力を積み重ねていきます」とコメント。自身16年リオデジャネイロ五輪を選手として経験しただけに、言葉には実感がこもっていた。

ワールドシリーズ第3戦パース大会の5位決定戦で米国を破り喜ぶ女子日本代表(中央=©JRFU)


 今大会の代表13人のうちパリ五輪経験者は6人。22歳以下が4人いる一方、26歳以上の中堅組も4人。これまでは若手ばかりが目立った日本女子ラグビーだが、14年に「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ」が設立されて10年、世界大会と同じフォーマットで国内サーキットを毎年4大会行ってきた国内女子ラグビー全体の経験値がようやく結果につながってきた。

18日の全国女子選手権準決勝で70m独走トライをあげた東京山九フェニックスのFB松田凜日(中央)


 それは7人制だけではない。今年8月にW杯が行われる女子15人制もレベルアップが著しい。18~19日には全国女子選手権の準決勝がリーグワン公式戦との併催で行われ、東京・江戸川陸上競技場ではパリ五輪にも出場した東京山九フェニックスの松田凜日(23)の70メートル独走トライなど男子顔負けの豪快プレーにどよめきが上がった。
 その全国選手権決勝は2日、秩父宮ラグビー場で、3連覇に挑む東京山九フェニックスと4年ぶりの頂点を目指す三重パールズが対決。東京山九にはロック佐藤優奈主将(26)や松田、三重には女子日本代表歴代最多キャップ&最多トライ記録を持つナンバー8斉藤聖奈(32)らW杯を目指す日本代表がずらり並ぶほか、三重には女子ニュージーランド代表で7人制と15人制の両方で世界最優秀選手選出経験を持つポーシャ・ウッドマン(33)も参戦する。いわば、世界最強選手と国内トップ選手の競演。女子ラグビーの進化ぶりを証明する一戦になりそうだ。
 ▼大友信彦 スポーツライター、1987年から東京中日スポーツ・中日スポーツでラグビーを担当。W杯は91年の第2回大会から8大会連続取材中。著書に「エディー・ジョーンズの監督学」「釜石の夢~被災地でワールドカップを」「オールブラックスが強い理由」「勇気と献身」など。
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