ロカルノ映画祭にノミネート 富山出身の平井敦士さん短編

2020年8月8日 05時00分 (8月8日 10時55分更新)
映画「フレネルの光」を撮影する平井敦士さん(左)=昨年8月、富山市内で

映画「フレネルの光」を撮影する平井敦士さん(左)=昨年8月、富山市内で

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◇「フレネルの光」  
 富山市出身でパリ在住の平井敦士さん(30)が監督した短編映画「フレネルの光」(フランス語題「Retour ● Toyama」=富山への帰郷)が、スイスで開催中の第七十三回ロカルノ国際映画祭で、短編部門の国際コンペティションにノミネートされた。賞は最終日の十五日までに決まる。
 平井さんは高校卒業後、東京都内の映像専門学校を経て二十三歳の時に渡仏。パリの映画学校で学んだ後、日本でも公開された「泳ぎすぎた夜」を共同監督したダミアン・マニベル監督に師事し、助監督も務めた。
 映画は平井さんの故郷である富山市水橋地区で昨年八月に撮影。自らを投影した主人公の男性が久しぶりに帰った故郷やあつれきのあった家族の変化をドキュメンタリーの手法を取り入れながら描いた。「いつか富山を映画にしたかった」という平井さん。「大好きな水橋の街を通し、時間の経過や家族とのかかわりなど誰もが共感できる作品にしたかった」という。主演の俳優のほかは、平井さんの家族や友人たちが出演した。

CFで機材調達


 撮影では、クラウドファンディング(CF)で資金を集めて機材を調達。CFをきっかけに、フランスの制作会社の支援を得たことで編集や仕上げ調整で「作品の質は第一線のレベルまで上がった」という。
 ロカルノ国際映画祭は、ベルリン、カンヌ、ベネチアに次ぐ映画祭で、若手監督の登竜門的な位置づけもある。新型コロナウイルスの感染拡大で今年はオンラインを活用する変則的な開催となった。平井さんの作品は世界各国から応募のあった中から短編部門の国際コンペで配信、上映される三十一本のうちの一本に選ばれた。
 「CFで富山の人だけでなく、富山出身だからというだけで同郷の人からも後押しをもらい、作品は少しずつ大きくなった。撮影時に冗談で『ロカルノに行こう』と話していたら本当になり驚いた」と平井さん。既に他の映画祭からの参加や新たな企画へのオファーも舞い込んでいるという。「ロカルノは目標にしていた場所だった。ノミネートだけでも今後の仕事の可能性が広がったので、いずれ長編作品に挑戦したい」と話した。(松岡等)
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