巨人から戦力外通告…DeNA中井が人生の選択でも見せた“勝負強さ” 正社員待遇断った企業チーム廃部に

2020年8月7日 11時12分

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2回裏無死、先制ソロを放ったDeNA・中井=6日、横浜スタジアムで

2回裏無死、先制ソロを放ったDeNA・中井=6日、横浜スタジアムで

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渋谷真コラム・龍の背に乗って


◇6日 DeNA3ー0中日(横浜)
 トラックマンデータによると打球初速165キロ、角度24度、最高到達点が22メートルで飛距離129メートル。簡単に言うと「打った瞬間弾」というやつだ。2回、松葉が先頭の中井に打たれた1号ソロ。序盤の1点で負けた気がして、2時間後にはその通りになっている。本日も意外性はなく、借金が増えた。
 2日前にラミレス監督の「フィーリング」を書いたが、中井の起用は間違いなく采配の8割を占める「データ」である。これで左投手には通算打率2割8分2厘、10本塁打(右には2割9厘、5本)。松葉を打つことを期待され、実行した。
 2007年秋。運命の出会いがあった。三重県の宇治山田商では投げてよし、打ってよしのスーパー球児として名は売れていた。当時を振り返るのは巨人の担当スカウトである。
 「3年生の春の大会を見ましたが、投手としては早々に厳しいなという評価を下しました。打者として…。最終的に決めたのがその秋ですね。進路調査のために学校に伺ったんです」
 約束の時間より早く着いたスカウトは、グラウンドに足を向けた。中井が打っていた。木製バットで二塁手の頭上に鋭いライナーを連発する姿を見て、球団に指名を願い出た。そのスカウトこそが、本紙評論家の大西崇之さんである。
 18年オフ。その巨人から戦力外通告を受けた。DeNAだけでなく、ある企業チームが正社員待遇で声をかけてくれた。この世界では担当スカウトは親同然。相談された大西さんは「何年もできるわけではない」と企業を推した。だが、中井は安定より勝負を選んだ。その企業チームは、のちに廃部を決めた。安定は永遠ではなかったのだ。中井はやはり勝負強かったのだ。
 それにしても…。飛んでいくのはDeNAの打球ばかり。フィーリングだろうがデータだろうが、ラミレス監督が抜てきした選手に次々と打ちのめされた3日間だった。
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