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1年間闘病「希望の光」を器に表現 四代徳田八十吉さん作品展

2022年1月14日 05時00分 (1月14日 11時55分更新)
大病後に制作した作品「紅の扉」(手前)を紹介する四代徳田八十吉さん=富山市の大和富山店で

大病後に制作した作品「紅の扉」(手前)を紹介する四代徳田八十吉さん=富山市の大和富山店で

▼大和富山店

 大和富山店(富山市)の開店九十周年を記念して、石川県小松市の九谷焼作家四代徳田八十吉さん(60)の特別企画展が同店六階ホールで開かれている。入場無料、十八日まで。
 四代八十吉さんは、彩釉(さいゆう)磁器の重要無形文化財保持者(人間国宝)だった父、三代八十吉の長女に生まれ、ニュースキャスターなどを経て、二十代半ばで陶芸界に入った。父の死去を受けて、二〇一〇年三月に四代目を襲名した。
 企画展には襲名前の「徳田順子」の本名で活動していた当時の作品を含め、花器や皿、鉢、つぼなど百二十点を展示した。注目作は八十吉さんが一九年に食道がんと誤嚥(ごえん)性肺炎を患い、延べ一年間の闘病を経て作った彩釉花器「紅の扉」、彩釉瓶「祭華」、彩釉花器「沙華」の三部作。紅の扉は、集中治療室(ICU)から一般病棟へ移る際に見えた扉上の緑色のランプを「一筋の希望の光」に見立てて器に表現したという。
 八十吉さんは「病気で死んでいたら、集中治療室から出てこられなかった。人生観が変わり、(病気は)作風にも少なからず影響を与えた」と語る。昨年還暦を迎えたこともあり「今は生まれ変わった気分。今後は赤ちゃんやつぼみをテーマにした作品を作りたい。一生勉強、一生青春です」とほほ笑んだ。
 会場には三代八十吉の群青色を特徴とした徳利(とっくり)や香炉など八点も展示。四代との作風の違いが楽しめる。期間中は八十吉さんが毎日来場する。(平井剛)

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