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アクリル削り昆虫を再現 豊川のプラ切削会社、クモの巣など精巧に

2021年12月8日 05時00分 (12月8日 21時59分更新)
微細加工技術を生かして作られたクモの巣=Jpキュービック提供

微細加工技術を生かして作られたクモの巣=Jpキュービック提供

  • 微細加工技術を生かして作られたクモの巣=Jpキュービック提供
  • 足先まで繊細な切削加工が施されたクワガタ=Jpキュービック提供
  • プラスチックの切削加工に取り組む伊藤社長(後列右端)と社員たち=豊川市本野ケ原で
 光に反射してキラキラと輝くクモの巣、今にも動きそうなクワガタ…。どれもプラスチックの中で最も加工の難易度が高いとされるアクリルの塊を機械で削り出して作られている。手掛けたのは、豊川市本野ケ原にあるプラスチックの切削加工会社「Jpキュービック」の技術者たち。作品を通じて「製造業に携わる楽しさを伝えたい」と、写真共有アプリ・インスタグラムなどで発信している。
 同社は二〇〇五年に創業し、主に医療機器や家電、自動車といったメーカーが新製品を研究開発する際の試作部品などを製造している。社員十八人と小所帯だが、世界屈指の微細加工が持ち味。伊藤雅彦社長(50)は「世間で『できない』といわれるものに挑戦し、難題をクリアすることで技術力を高めてきた」と話す。
 企業間の取引がほとんどだが、一般の人にも日本の物づくりを支える技術を知ってもらおうと、二年ほど前、製造技術部の主任技師永田剛央さん(37)が「体のつくりが繊細な昆虫を作ってはどうか」と提案。素材はプラスチックの中でも欠けやすく加工が難しいアクリルを選び、本業の合間に製作を進めてきた。
 アクリルのブロック材に刃物を入れる角度や回転数などを試行錯誤した結果、例えばクモの糸の直径は当初の〇・九ミリから〇・一二五ミリまで細く削り出すことに成功。クワガタは足のくびれや触角も緻密に表現し、アクリル特有の透明度にもこだわった。これまでにトンボやチョウなど計八種類を手掛け、今後は「原寸大のアリにも挑戦したい」と意気込む。
 作品は今年十月から「モノづくりアート〜超リアル透明昆虫図鑑」と題し、同社ホームページやインスタグラムで公開中。来年一月には東京で開催予定の若者向けに製造業をPRするイベントでも展示されるという。
 伊藤社長は「作り手自身が楽しみながら作ることで技術ノウハウの引き出しを増やしていける。日本の製造業を取り巻く環境は年々厳しくなっているが、オンリーワンの技術で新たな可能性を探っていきたい」と話した。
 (川合道子)

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