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池田中2自殺 損害賠償訴訟 元副担任「怒鳴ってない」

2021年10月7日 05時00分 (10月7日 10時04分更新)
池田中生自殺問題を巡る訴訟の口頭弁論が開かれた法廷=6日、福井地裁で

池田中生自殺問題を巡る訴訟の口頭弁論が開かれた法廷=6日、福井地裁で

 元担任も報告書一部否定 


 池田町池田中学校二年の男子生徒=当時(14)=が当時の男性担任や女性副担任のしっ責を苦に自殺した問題で、母親が町と県に約五千四百七十万円の損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論は六日、福井地裁(上杉英司裁判長)で学校関係者ら五人と母親の尋問があった。元副担任は「しっ責したり、怒鳴ったりしたことはない」と主張した。町と県は請求棄却を求めている。
 町教委の調査報告書は、元担任や元副担任の厳しい叱責による精神的ストレスが自殺の原因と結論付けた。これに対し、元副担任は「報告書は事実と異なることもある」「問い詰めるような指導をしたことはない」と反論。元担任も、男子生徒が亡くなる数カ月前、所属していた生徒会を「辞めていいよ」などと大声でしっ責した記憶はないとして報告書の内容を一部否定した。
 一方で、元担任は十回ほど大声でしかったことがあると認め、「こうなってほしいという自分の思いが強すぎて、本人の思いをくみ取れなかった」と反省の言葉を述べた。元副担任は生徒が自殺したことを「現場にいた教員として重く責任を感じている」と述べた。
 報告書について、当時の男性校長は「学校の言い分がない」、当時は教頭だった平井浩一校長は「事実関係がはっきりしないものもある」と述べた。
 池田中の元女子生徒は、男子生徒が元担任に大声で怒鳴られている様子は「見ているだけでも怖かった」と証言。元副担任には、宿題を忘れた際、厳しく理由を問い詰められた経験があると話した。

 母親「本当のこと話して」

 原告である男子生徒の母親は最後に証言台に立ち、「本当のことを話してほしい」と、町教委の調査報告書の内容を否定する元副担任らの証言に不満を募らせた。
 母親は本人尋問で、元担任と元副担任に対しては、男子生徒の同級生らも苦手意識を抱えていた様子だったと説明した。
 調査報告書で、男子生徒が元副担任の前で土下座しようとしたり、過呼吸になったりしたことがあったと指摘していることに、母親は「それなりの理由があったからだと思う。普通のやりとりの中でこうしたことが起こるのか」と述べた。
 男子生徒の自殺から約四年半。母親は「ずっと『どうして、なんで』と思っている。学校の中がより良くなり、そのことを息子に報告できたらなと思っている」と問題の全容解明を求めた。
 池田中生自殺問題 2017(平成29)年3月14日、池田町池田中で2年生の男子生徒=当時(14)=が校舎から飛び降りて自殺。町教委の調査委員会は同年10月、担任と副担任から厳しい叱責(しっせき)を受けた精神的ストレスが自殺の原因とする報告書を公表した。男子生徒は他の生徒の前で担任に怒鳴られたり、副担任に叱られてられて土下座しようとしたりしていたことが明らかになった。同年12月、県内の市民団体が担任らを業務上過失致死容疑で告発。福井地検は19年2月、不起訴とした。福井検察審査会は20年1月、担任を不起訴不当と議決したが、地検は21年3月、再び不起訴とした。

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