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<作られた民意 リコール署名偽造事件> (中)「公認だわ」権威かざし

2021年5月22日 05時00分 (5月27日 23時53分更新)
昨年10月、街頭演説の後、取材に応えるリコール運動の中心メンバー。田中容疑者(左端)は運動の「看板」だった高須院長や河村市長の陰で動いていた=名古屋市中区で

昨年10月、街頭演説の後、取材に応えるリコール運動の中心メンバー。田中容疑者(左端)は運動の「看板」だった高須院長や河村市長の陰で動いていた=名古屋市中区で

 「高須先生の目がぎらっとした。『田中君、頼むわ』と言われたよ」
 二〇二〇年十月上旬。愛知県知事リコール活動団体の事務局幹部の山田豪は事務局長の田中孝博からの電話に耳を疑ったという。
 山田によると、この少し前、田中から「ある団体が『水増し署名』を作ってくれる」と聞かされていた。詳しい手段は分からないが、不正をするということだろう。
 「高須先生は知っているのか」との山田の問いに田中は答えた。
 「今はまだ知らん。俺が守らないかん。全責任を取らないかん」
 田中はこのやりとりを気に掛け、電話をしてきたようだった。不正の計画を活動団体会長で美容外科「高須クリニック」院長の高須克弥に伝えたといい「先生公認だわ」と言い放った。
 だが、高須は本紙の取材に「不正は全く知らなかった。田中君から報告も受けていない」と強く否定している。山田は「私を納得させるため(のうそ)だったのかもしれない」とも話す。
 確かに人を動かす時、言葉巧みに“権威”を利用するのは田中の常とう手段と言える。高須に加え、しばしば持ち出したのがリコール運動のもう一人の看板、名古屋市長の河村たかしだった。
 本紙の取材では、山田が「先生公認」...

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