川崎守ろう#ヘイトパトロール 差別街宣監視、SNSで連帯広がる
2021年2月17日 05時00分 (2月17日 05時00分更新)
ヘイトスピーチに全国初の刑事罰を設けた差別禁止条例がある川崎市で、保守系団体の街宣が活発化している。今秋の市長選もにらんでいるようだ。条例施行前にあった露骨な表現こそ鳴りを潜めた。とはいえ、在日コリアンらへの差別をあおるような言葉が町に響き、外を歩けない市民もいる。これを受けて「#ヘイトパトロール」と称する活動が広がっている。SNSを通じてつながった市民が駅前に集まり、差別の言葉が拡散されないよう見守っている。 (安藤恭子)
「こんにちは」。二月最初の週末、本や折り畳みいすを手にした十人ほどの市民がJR川崎駅前にいた。昨年末から始まった「川崎駅前読書会」の参加者。ツイッターで「#ヘイトパトロール」の告知を見て集まった人たちだ。
夫婦で参加した横浜市の男性(69)の手には、九十八年前の関東大震災後のデマが引き金で起きた朝鮮人虐殺事件の証言集。「ここは差別主義者たちの街宣にも使われ、通りすがる在日の人たちを怖がらせてきた。一人でも力になれればと思って」とほほ笑む。
「差別を放置すれば、沖縄や女性、他のマイノリティー差別に広がるかもしれない」と話す横浜市の男性会社員(34)は、親族にハンセ...
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