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<ユースク> 国際カップル配偶者ビザ、事実上の停止状態

2021年2月13日 16時00分 (2月13日 20時20分更新)
画面越しに広瀬さんと話す婚約者=愛知県豊田市で

画面越しに広瀬さんと話す婚約者=愛知県豊田市で

 新型コロナウイルスの感染拡大で、配偶者や恋人が外国籍の国際カップルに混乱が広がっている。緊急事態宣言発令下でも、日本人の配偶者がいる外国人は日本への入国が可能のはずだが、先月下旬、明確な説明がないまま配偶者ビザの交付が事実上、停止状態に。ネット上では婚姻関係にない恋人も含め、政府に配慮を求める署名活動が続く。“愛”が自由に国境を越える日は依然、見通せない。
 (佐々木香理)
 「何のための手続きだったのか。ちゃんと理由を示してほしい」。欧州連合(EU)圏内の外国人配偶者がいる千葉県内の二十代女性が憤る。
 東京や愛知に緊急事態宣言が再発令中の先月下旬、女性の配偶者は在外大使館にビザを申請した。いったん交付決定の連絡があった後、受け取る直前で「渡せなくなった」と言われたという。今も交付の見通しは立たず、女性は「宣言が理由ならどうして申請を受け付けたのか。解除されても交付されるのか分からない」と不信感を募らせる。
 本紙の取材では、他の在外公館でも申請をあきらめるケースが相次ぐ。「申請受け付けを控えるよう(本省の)指示があった」「広報が十分でなく申し訳ない」などと伝えられた人もいた。
 先月十三日に緊急事態宣言が愛知など七府県にも出されたことに伴い、政府は外国人の新規入国を原則、停止したが、配偶者が日本人の場合など「特段の事情」があれば入国を認めている。しかし、同二十六日になって交付手続きを厳格化。特段の事情があっても「真に急を要する場合」以外は入国自粛を求めた。担当者は「どれだけ緊急なのか慎重に検討する」と説明する。
 婚姻関係になく、もともと「特段の事情」に当てはまらない恋人たちを隔てる壁はさらに厚い。インドネシア国籍の婚約者がいる愛知県豊田市の会社員広瀬彩乃さん(21)は「いつ会えるかめども立たない」とユースク取材班に悩みを寄せた。昨年五月にインドネシアで結婚の手続きを進める予定だったが、同三月末に同国への渡航中止が勧告されるなどしたため不可能になったまま、会うことすらできていない。
 同じく取材班に投稿した京都府内の公務員女性(25)も韓国人男性の恋人と一年以上、会えておらず、入籍はいったん中止に。女性は「国内ではGoToを使って自由に動き回る人もいた。(カップルの)愛はお金を生まないから必要ないと言われているよう」と訴えた。
 ネット上では配偶者や婚約者など外国人パートナーの入国制限緩和を求める署名活動が続く。呼び掛け人で、米国籍の配偶者がいる東京都の医師石井佳奈さん(38)は「コロナ禍では誰もが大変な思いをしている。国際カップルの問題を優先しろとは言えないが、政府に声が届いてるのかすら分からない。せめて希望の光が欲しい」と話していた。

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