【単独インタビュー】無限・本田博俊社長「ホンダはチャンピオン取ってからF1撤退を決断してほしかった」

2020年10月20日 06時00分

このエントリーをはてなブックマークに追加
無限の本田博俊社長

無限の本田博俊社長

  • 無限の本田博俊社長
 ホンダが2021年シーズンを最後にF1から撤退すると発表したことを受け、創業者本田宗一郎氏の長男で無限の本田博俊社長(78)が19日、単独取材に応じ、「チャンピオンを取ってから撤退を決断してほしかった」と残念がった。無限は92年から9年にわたってエンジンメーカーとしてF1に参戦。ホンダがF1活動を休止していた期間のリリーフ役となった。無限ブランドで活動するM―TECがホンダのパワーユニット開発を継承する可能性も難しいとの見解を示した。
     ◇  ◇  ◇
 ホンダのF1撤退の決断を誰よりも悲しんでいた。無限の本田博俊社長はため息をつきながら胸の内を語った。
 「またF1をやめちゃうのは残念。やめるならちゃんとチャンピオンを取ってから撤退を決断してほしかった。日本に(ホンダが携わった)サーキットが2つもあるんだから、やめてもらいたくなかったなぁ」
 ホンダは昨年になって強豪レッドブルと提携してF1復帰後初勝利を含む3勝を挙げ、今季もここまで2勝をマーク。チャンピオンチームのメルセデスを追い詰める好機が到来しながら活動終了の方針を発表した。
 創業者の宗一郎氏の生き様を肉親として間近で見てきただけに「おやじだって生きていれば、自分と同じ思いだったはず。『てめえらそんなとこでやめるんなら、やめちまえ』とよく言っていた。勝負事をするのであれば、その覚悟が必要だった」。志半ばで今回の決断に至ったことを惜しんだ。
 ホンダは1964年にF1初参戦したが、その後は計3度にわたって撤退。2015年に再参入した今回は第4期プロジェクトと呼ばれており、4度目の“店じまい”となる。
 一方の無限は92年から2000年にかけてホンダと提携してエンジンメーカーとしてF1に参戦。ちょうど同社の活動休止期間と重なり、ホンダのDNAでもあるF1技術を絶やさないよう努めただけに「F1は五輪や祇園祭みたいな伝統文化と同じ。だから、ずっとF1を戦い続けているフェラーリは誰もが存在価値を認めている。なのにホンダは途中でやめてしまう」と嘆いた。
 無限はブランドを引き継いだM―TECが国内で4輪のレース活動を続け、英マン島TTレースでは昨年まで電動バイクでクラス6連覇を果たした。そのため、ホンダのF1パワーユニット(PU)を引き継ぐうわさも一時は持ち上がったが、「うわさ話が正夢のようになってくれれば、うれしいけど、そんなに簡単なことじゃない。昔のようにエンジンだけをやるのとは違う」とした。
 本田社長は言いたいことを腹に収め、ホンダの行く末を案じた。

関連キーワード

PR情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ