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書き込みが示す読書の痕跡を考察 山本貴光さん著作『マルジナリアでつかまえて』

2020年9月19日 05時00分 (9月19日 05時00分更新)
山本貴光さん

山本貴光さん

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  • 山本貴光さんの著作『マルジナリアでつかまえて』
  • Guy de Maupassant,Little French Masterpieces.1904, p146 夏目漱石蔵書より。モーパッサンの短編「あだ花」の最終ページには「面白イ。然シ要スルニ愚作ナリ。モーパサンは馬鹿ニ違ナイ。」と書いている=東北大付属図書館夏目漱石ライブラリ漱石文庫所蔵
 <人類は大きく二つに分かれる。本に書き込みをする者と、しない者に−>そんなユニークな帯文が目を引く『マルジナリアでつかまえて 書かずば読めぬの巻』(本の雑誌社)が今夏刊行された。文筆家でゲーム作家の山本貴光さん(49)=神奈川県=が約30年にわたり、古今東西の作家や哲学者らの書き込みを考察し、まとめた1冊だ。 (世古紘子)
 「マルジナリア(marginalia)」は本の天地左右、行間などの「余白」への書き込みのこと。欧米では政治思想家ハンナ・アーレントや哲学者ジャック・デリダらの蔵書への書き込みがデジタル化され、公開されている例もある。「本をどう読んだかという『痕跡』。書いたもの、読んだもの、読んだものに対する書き込み。それらを関連づける試みもなされ、マルジナリアは研究でも重要とされています」
 山本さんがマルジナリアを知ったのは、学生時代に手にした夏目漱石の全集がきっかけだった。<御尤(ごもっとも)ナリ/natural!/ソンナコトハ駄目サ/ソーデスカ>。鋭くツッコミを入れているかと思えば、本文と関係のない内容も。「漱石は書かずには読めない人。思考や感情をよくつかまえていて、そこには...

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