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野菜のソムリエの食彩記

ヤマノイモ(2) 粘りがあり親しみある食材

拍子切りしたヤマノイモ(左)とやまかけ

写真

 ヤマノイモは、芋類の中では珍しく生で食べられる芋です。

 すりおろせば「とろろ」になり、麦ご飯にかけたり、「やまかけ」としてお刺し身や麺類のトッピングにもなります。加熱すると粘りのもとであるムチン質がなくなり、ふわっとした食感に変わり、お好み焼きのつなぎや海苔(のり)で挟んで「磯部揚げ」などにも使われます。また、九州の銘菓「かるかん」には欠かせない材料で、和菓子や麺類のつなぎ用として粉末状の加工品も作られています。

 すったヤマノイモは、だし汁や白しょうゆでのばすのが一般的ですが、静岡県中部ではみそ汁を加えてのばしたものが名物となっています。松尾芭蕉の俳句にも「梅若菜、鞠子宿のとろろ汁」とうたわれ、鞠子宿(現在の静岡市駿河区丸子)で食べられていたことがわかります。また、十返舎一九が書いた「東海道中膝栗毛」にも登場し、昔から親しみのある食材であったようです。

 粘りのある部分に触れると手がかゆくなることがありますが、これはシュウ酸カルシウムの針状の結晶が皮膚のうすい毛穴などに入って直接皮膚を刺激して起こるものです。手に酢水を付けてから作業するとかゆみが少ないです。調理の際は、切り口が空気に触れると変色しますので、切ったらすぐに酢水につけましょう。酸化を抑え白く保つことができ、水気を拭きとれば冷凍保存も可能です。

 粘りが強い方が好みであれば、ひげ根が多く新物よりひね物を選びましょう。

(山城知美・協会認定シニア野菜ソムリエのクッキングサロンEruca主宰)

 

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