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女のティールーム

芋切り干し作り 一族総出 冬の思い出

無職 大石 安代さん(吉田町)

水彩連盟準会員 福沢益由己

写真

 冬のからっ風が吹くころになると、決まって思い出す風景がある。

 私が小学三年生のころ。寒い冬の朝、外はまだ真っ暗い中を綿入れの羽織を着て近くの祖父の家に急いだ。祖父の家では庭にかまどが築かれ、大きなお釜の上ではせいろいっぱいにサツマイモが入っていて湯気を立てていた。父ら男の人たちは井戸端でお芋を洗ったり運んだりしていて、祖父はかまどの前に座り火をくべながら皆に指示をしていた。

 家の中では土間にむしろを敷いて芋切り干し作りが始まっていた。私もその仲間に入り、左手に蒸し上がったお芋を乗せて右手で皮をむくのだが、その熱いこと熱いこと。でも止められない。私より年下の従妹も皮むきをしていたのだから。

 皮をむいたお芋をおばさんがピアノ線を幾本も張った道具に通して、それを女たちが手早くすのこに並べる。これが女チームの仕事。それを男チームが外に運んで棚に並べる。こんな作業がずっと続いて、日が昇るころには前の畑いっぱいに芋が干されていた。

 一カ月ほどたつと祖父が出来上がった芋切り干しをたくさん持って来てくれる。それを母がブリキ缶に入れておく。私は少しずつおやつとして食べた。おいしかった。

 今でも湯気いっぱいの中で祖父を中心にして働いた芋切り干し作りを懐かしく思う。

 

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