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女のティールーム

明るく広くなった庭 50年の松 思い出語り剪定

主婦 宮地 よし江さん(吉田町)

書家・画家 重富希公子

写真

 風のない暖かな日です。「今日は家の庭を手入れするよ」と主人に声を掛けます。二人が外に出て庭を見ると、暗い庭は枝も葉も茂って息苦しそうです。実家の父は私に、庭の手入れは十一月が一番良いと言っていました。

 庭の隅に大きな松の木があります。この松は焼津市から送られてきた松です。私がこの家に嫁に来たころ、家が建てられ、記念の庭も完成しました。その時に友人が枝の形がすてきな「五葉松」を庭に植えてくれたのです。

 あれから五十年がたち、おかげで元気に今年も松の手入れにかかります。松は老松。コケが付き、月日が貫禄を表しています。

 植木屋に頼めば立派な松になっていたと思うけれど…。形が悪いけれどゆっくりと夫婦で剪定(せんてい)します。ハサミで余分な枝や葉を切り落として、悪い虫が食い付かないようにと願います。二人で思い出を語りながらの仕事です。

 「足が痛い、腰が痛むよ」と年寄りの二人は庭の手入れが大変になっています。小さな庭ですが、私たちの大切な庭。松が終わると「他の木も整理して下さいね」と言って私は片付けを始めます。日が沈むのが早いので急いで切り上げる二人です。松の木も生き生きとして、明るくなった庭を眺めます。私は今日の日に感謝です。そして「できる限り庭の手入れを続けていこう」と、主人と話します。

 

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