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お茶漫歩

茶産地と鉄道 大量輸送も今は昔

内藤旭恵 静岡産業大情報学部専任講師 藤枝市在住

 明治時代に日本茶を輸出した際に茶箱にはられたラベルを「蘭字(らんじ)」と言います。風景や文字などを組み合わせた色鮮やかなデザインで、そのベースになったものは浮世絵や版画といった日本の技術です。

 浮世絵や蘭字のコレクターとして有名なのは、日本の近代化に貢献した名建築家たちです。明治時代に建てられた「三菱一号館」を設計したジョサイア・コンドルや大正時代の「旧帝国ホテルライト館」を設計したフランク・ロイド・ライトです。お茶と建築は切っても切り離せない縁でつながっているように思います。

 そんな建築家たちが活躍していた時代の新聞に目を向けてみると、「明治三十七年四月十四日製茶輸送運賃割引」という見出しが躍っています。発信元は鉄道作業局となっています。大量輸送時代が幕を開けるころです。

 県内でも茶の輸送のために、静岡と清水を結んだり、藤枝と牧之原、袋井をつないだりする軽便鉄道が敷設されていきました。

 「静岡茶町のお茶が清水港から輸出された」「藤枝茶町や牧之原のお茶が藤枝に集められて国鉄で輸送されていた」との証言がありますが、資料の多くが戦災で失われ、詳細な文献は発見されていません。

 こうした歴史の中から生まれた静岡鉄道は間もなく百周年。先日、藤枝市役所近くにあった「藤枝本町駅」の旧駅舎が解体されました。茶産地を見守ってきた歴史の生き証人がまた一つ失われました。

 

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