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お茶漫歩

「多力本願」 聖一国師のお導き

花井孝 地域活性化戦略研究所長、静岡市清水区在住

 何年も前から「お茶が売れない」と生産者から聞かされてきた。売れるための特効薬はない。お茶の魅力を、従来とひと味違う視点、見せ方を工夫して伝えていくしかない。小さな手段の積み重ねが、やがて大きく効いてくる。

 鎌倉時代の高僧、聖一国師(しょういちこくし)は古里の静岡にお茶を伝えた。仏教用語に「他力本願」という言葉がある。本来の意味とは別に、他人の力を当てにするというような使われ方をする。「他力」ではなく、お茶に関わる業界、関係者、市民の大勢が力を出し合う「多力」にして相乗効果を目指したい。

 その一つに、藤枝市で二〇一四年に開かれた全国茶サミット静岡大会in藤枝があった。一般的に日本茶と呼ばれている緑茶を「和茶(わちゃ)」と名付けて世界のスタンダードにしようと、宣言した。一三年に「和食」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産になった。この波に乗り「和茶」と「和菓子」の三位一体で世界にアピールする好機となっている。

 「人をもてなすためには、お茶は絶対に欠かせない。なぜならば、お茶は『ホスピタリ茶(ティ)』というじゃないか」と富士宮やきそば学会の渡辺英彦会長はジョークを交えて本気で語っている。

 多様な価値観の時代、習慣にとらわれず「多力本願」で三人寄れば文殊の知恵。私には僧侶聖一国師のお導きに思える。

 

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