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お茶漫歩

水磨様 抹茶需要で再現に光

花井孝 地域活性化戦略研究所長、静岡市清水区在住

 今から八百年の昔、古里の静岡にお茶を伝えた僧がいた。日本の名僧百人に数えられて聖一国師(しょういちこくし)と呼ばれた。鎌倉時代に今の静岡市葵区栃沢に生まれた。

 宋の国(中国)の径山寺に留学した後、博多・承天寺、京都・東福寺の開山となった。宋から経典とともに大陸の先進技術や文化を伝えた。

 持ち帰った巻物に「大宋諸山図(だいそうしょざんず)」(重要文化財)がある。宋の寺々が描かれている。その巻末に「水磨様(すいまよう)」という現代製図法にも似た不思議な図面があった。学者の中には「わが国初の製粉プラント(工場)の設計図」と称する人もいる。

 これを復元したいと活動している。仕組みは水力で「つく」「ひく」「ふるう」の作業が同時にでき、まさに製粉工場の機械のよう。動力源の水は水車を回した後、元の流れに戻り、水資源を消費することはない。

 地球温暖化の要因とされる二酸化炭素も発生させない。現代によみがえらせたら、環境教育に生かせると思う。

 茶葉をひいて抹茶にする仕組みも記されていた。折しも、食材として抹茶の需要が高まり、茶業の関係機関は抹茶原料のてん茶栽培を勧めていると聞いた。水磨様の再現に一筋の光が差し込んだように感じた。

 静岡の抹茶をブランド化していく上で、聖一国師の歴史は大いに活用できるだろう。国師の顕彰をさらに進めたい。

 

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