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お茶漫歩

ボトル入り 攻める、高価でも売れる

花井孝 地域活性化戦略研究所長、静岡市清水区在住

 まちづくりの仕事で以前、岡部町(現藤枝市岡部町)特産の玉露をパリでフランス人に飲ませたことがあった。何人かが「魚臭い」と言った。玉露のうま味なんだと説明したが、納得したかどうかは分からない。フランス人が興味を示したのは、緑茶を水で出してワイングラスに注いで提供した時だった。

 ほぼ全員がグラスを手に持って茶の色を透かし、次に鼻を近づけて香りを感じ、口に含んで舌の上で味を確かめているようだった。まるで、ワインを飲むときと同じ姿である。

 最近は日本のメーカーが水出し煎茶をワインボトルに詰めた飲料を売り出している。数千円から数万円という価格で売られているものを飲んだことがある。ワインに代わるものとして定着し、マーケットができれば緑茶販売の革新だ。

 折しも、大手飲料メーカーは千円のペットボトル茶を売り出した。思い切って買ってみた。立派な紙箱に入っていた。「売れていますか」と販売員に聞いてみた。「一日に四、五本は売れています」との返事。一カ月で百五十本近く売れていることになる。伝統のお茶ではあるが、売る側がマーケットの要求に変幻自在に応えることが歴史と伝統の日本茶を守ることになる。

 「茶葉が売れない」「急須を持たない家庭が増えた」「ペットボトルが敵だ」と嘆くだけでは、静岡茶の伝統とブランド力は守れない。「攻撃は最大の防御」という兵法は普遍に認められる真理かもしれない。

 

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