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お茶漫歩

大川地区 竹の茶室で話題づくり

花井孝 地域活性化戦略研究所長、静岡市清水区在住

 二〇〇二年は静岡にお茶を伝えたといわれている聖一国師(しょういちこくし)生誕八百年だった。まちづくりの仕事で生誕地の静岡市葵区大川地区から、国師の顕彰と本山(ほんやま)茶の販路拡大を目的に事業を頼まれた。

 まずお茶の生産者から茶業の現状を聞いた。高齢化が進み、後継者は減って九州地方など後発産地の追い上げを受けているとのことだった。急須を持たない人が増え、茶葉が売れにくい。茶問屋は仕入れ価格を抑え、生産者は利益が出ないといった話だった。

 そこで考えたことは、購買者の興味と好奇心を刺激し、お茶好きになるきっかけをつくることだった。「本山茶飲快適空間創造」と題し、県内でも著名な建築設計家四人による茶室競作を大川地区の住民と協働で創り上げた。

 竹林被害に悩む中山間地から、これでもかという圧倒的な量の竹を使って、非日常空間である茶室四棟を提案した。快適なたたずまいとしつらえで演出し、国師と本山茶を紹介した。話題となり、地元の長老が「これほどの人々が訪れたのは大川の歴史上初めて…」と漏らすほどにぎわった。

 その後、国師の縁で、静岡市と福岡市博多区の交流が進むなど、大川地区では、お茶の歴史を生かした活動が続けられている。静岡茶の付加価値として歴史と伝統に光が当たるようになった。

 

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