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お茶漫歩

販路開拓  小さな茶産地 パリで試飲会

花井孝 地域活性化戦略研究所長、静岡市清水区在住

 かつて、まちづくりの仕事で岡部町(現藤枝市岡部町)特産の玉露の販路開拓に努めた。人口一万二千人の小さな町が欧州市場を視野に入れ、パリでお茶のセールスをした。世界最大規模といわれる国際食品見本市「シアル」の会場の一角を借りて試飲会を開き、商談した。

 並行してパリ市内のミシュラン一つ星レストランや日本料理店、オペラ座近くの高級カフェを会場に、玉露茶会を開催。招待客は過去三年間に日本を訪れた高額所得者、パリ在住日本人の紹介による友人知人、市内でお茶を扱う経営者、シェフ、パティシエの皆さんだった。

 岡部町長サイン入りの格調高い仏文のインビティション(招待状)を日本から発送した。効果は高く、外国人八割、パリ在住日本人二割の参加を得た。

 お茶会では日本で入れている通り、小さな湯飲みに茶葉三グラムを入れ、三九度の湯をひたる程度注いで一分待ち、「しずく」を味わってもらった。参加したフランス人から「日本人は温度計と計量計、ストップウオッチを持ち歩いているの…」と本気で尋ねられた。

 「熱帯魚の水槽の味がした」との感想に、どういうことかと、しつこく聞くと、英語で「フィシュスメル」(魚臭い)と言った。玉露のうま味を生臭いと感じたかもしれない。

 終了後の雑談の席上、余興として出した緑茶と柚子(ゆず)のブレンド粉末茶を「買って帰りたい」と言ったフランス人が少なくなかった。小さな茶産地の関係者が、国際市場の潜在需要とニーズを体験した。

 

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