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萌えキャラ商品売り込め 富士発ビジネス、全国に拡散

(上)徳川家康を女の子にした「いえやすちゃん」のレトルトカレー(下)炭火茶を擬人化した土屋製茶の「土屋小町」

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 お茶やレトルトカレーが美少女キャラクターに変身−。富士市のホームページ(HP)製作会社が六年前から始めた取り組み「もえしょくプロジェクト」が全国から注目を集めている。企業の商品を美少女キャラクター(萌(も)えキャラ)に擬人化し、宣伝に活用する事業。これまでに全国で百五十の萌えキャラが誕生。静岡から始まった事業がキャラクタービジネスの可能性を広げている。

 七月二十〜二十七日、静岡市葵区の松坂屋静岡店で開かれたもえしょくプロジェクトの物販イベント。お茶、かつおぶしのふりかけなど約四十点が並んだ。商品の共通点はパッケージに描かれた萌えキャラ。普段、百貨店ではあまり見かけないアニメ好きの若者たちが会場を訪れ、商品を手にした。

 もえしょくプロジェクトは、企業と「絵師」と呼ばれるプロやアマチュアのイラスト作家を結び付けることで成り立っている。「自社のキャラクターを作りたい」という各地の企業の依頼を受けて、HP上でキャラクター絵を賞金付きで公募し、企業が寄せられた作品の中から商品に合ったキャラクターを選ぶ。

 企業は作品公募の手数料と作家への懸賞金を払い、キャラクターの権利をもらい受けて商品パッケージなどに活用する。萌えキャラを幅広く売り出すための公式サイト作りのアドバイスも受けられるため、人手が限られ、広告宣伝に費用が掛けられない中小企業にっては大きな味方だ。

政豊の店舗入り口でお客さんを出迎える「おとぎちゃん」=静岡市葵区呉服町で

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 プロジェクトを進めるのは、富士市のHP製作会社「ハイスペック」と静岡市清水区の印刷・デザイン会社「エスクリエイト」。ハイスペックがネット上での作品公募を担当し、企業との交渉やキャラクターの周知活動はエスクリエイトが受け持つ。

 エスクリエイトの代表取締役石川雅章さん(44)は「萌えキャラは若者を引きつける。企業がキャラクターに愛情を持って育てていけば、女性にも人気が出る」と若者と企業を結び付ける仕組みに太鼓判を押す。

 誕生した萌えキャラの中から“人気者”も出ている。松坂屋のイベントでの人気投票で一位になった「おとぎちゃん」。静岡市葵区呉服町の刃物店「政豊」が二〇一一年に公募した「包丁研ぎ機」の萌えキャラだ。政豊店主の沼田千晴さん(49)は「店の前に立て看板を置いたり、路線バスのラッピングに使ったりして店の看板娘として使っている」。

 今では「おとぎちゃんの歌」ができ、コスプレする女性もいるほどの人気ぶり。店内ではクリアファイルやマグカップなどのグッズも販売している。沼田さんは「萌えキャラを作るだけだと話題になるだけで終わってしまう。戦略を持って活用することが大切」と話す。

イベント会場で萌えキャラのふりかけをPRする石川さん=静岡市葵区の松坂屋静岡店で

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 プロジェクトで現在、力を入れているのは、萌えキャラ同士のコラボレーションだ。袋井市では、袋井市観光をテーマにした萌えキャラと、名産の豚肉をテーマにした萌えキャラの両方をパッケージに載せたパスタソースを販売した。石川さんは「同じ地域の萌えキャラが互いに応援しあうことで、知名度も上がり、キャラクターの可能性も広がる」と話す。

 現在、愛知、大阪、福岡など十二府県に十六のプロジェクトの支部を置いている。エスクリエイトには企業から月に一、二件の依頼があるという。問い合わせは「もえしょくプロジェクト」で検索。

(垣見窓佳)

 

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