トップ > 中日新聞しずおか > 静岡地域版 > 地域特集 > ヒットの系譜 > 記事

ここから本文

静岡経済 ヒットの系譜

ガリバーフーズ 「野菜村」ドレッシング

◆サラダをスイーツに

特徴的な風味の商品をそろえて事業拡大に意欲を燃やす赤堀崇社長=浜松市東区のガリバーフーズで

写真

 浜松で三十六年間、ドレッシングだけを作り続けるガリバーフーズ(浜松市東区)。看板商品の「野菜村」シリーズは、「野菜嫌いの子どもをなくす」という創業の精神を守りつつ、三代目が新風を吹き込み、一気にファンを増やしている。

 浜松市内で喫茶店を営んでいた竹内正好さん(63)が、常連客の求めに応じ、店のサラダのドレッシングを持ち帰り用に販売したのが始まりだ。注文が増えるにつれ、店との両立が難しくなり、一九七七(昭和五十二)年にメーカーに転身した。

 喫茶店時代からの人気商品が「和風スパイス」。ドレッシングに特有のツンとした酸味を抑え、甘みを強調した味は「砂糖を入れ過ぎ、しょうゆやスパイスを足しているうちにできた」(竹内さん)偶然の産物だったという。これが「野菜嫌いの子どもにぴったり」と受け入れられ、同社のドレッシングは甘口が定番となった。

 以来三十年近く、宣伝もせず、顧客の口コミと地道な試食販売の積み重ねで販売地域を広げてきた。竹内さんは「会社を大きくするという考えがあまりなかった」と振り返る。

 現在、会社を切り盛りするのは三代目の赤堀崇社長(39)。市内の食品スーパーで副店長や人事部門を経験後、二〇〇六年にガリバーフーズに転職した。

 赤堀社長はスーパー勤務時から「目立たない場所に置かれ、特売もしないのに買っていく客が多い」と「野菜村」の商品力に注目していた。「スーパーで培った営業ノウハウを活用すれば、伸びしろは大きい」と、事業に魅力を感じたという。

 しかし、販売拡大を狙って飛び込んだ名古屋で“現実”が待っていた。知名度が低いため「店頭で試食販売をしても、立ち止まってさえくれなかった」と赤堀社長。自慢の「和風スパイス」も、同じような名前の商品の中に埋没してしまうことに気付いたという。

 「風味で差別化しないと駄目だ」と、赤堀社長は営業の傍ら、商品開発に力を注いだ。名古屋向けを念頭に、赤みそベースのドレッシングを発売。「味も分からずに三百ミリリットル入りを買う客はいない」と、百ミリリットルの「お試しセット」も設けた。

 農産物が豊富な静岡の会社なのに、県産品を活用した商品がないことも気になった。試行錯誤の末、県産イチゴの「紅ほっぺ」や三ケ日みかんを素材にした新機軸「スイーツライン」の三商品を昨年十一月に投入。デザート感覚で野菜を食べてもらおうという狙いが当たり、既存商品も含めて注文が続々と舞い込むようになった。値段は一本四百円前後。

 このお盆休み明けには、全国展開する大手スーパーで「野菜村」の取り扱いが始まるという。赤堀社長は「いずれは東アジアに出ていきたい」と事業拡大に意欲を燃やす。工場や倉庫が手狭になってきたのが目下の悩みだという。

 (林知孝、写真も)

  =終わり

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索