トップ > 静岡 > 高校・大学周年特集 > 浜松海の星高校50周年

ここから本文

浜松海の星高校50周年 一粒の麦が地に落ちて

奉仕と学業 施設慰問 献身的に対応

お年寄りから話を聞く末広会のメンバーたち=浜松市内の施設で

写真

 奉仕活動が盛んな浜松海の星高校。創立時には既に、市内の児童養護施設を慰問する活動があった。「みんなが幸せにならなければ私も幸せになれない」をモットーに活動を続けて五十年。老人ホームや病院などの訪問を通して、生徒たちは今日も利用者の要望に献身的に応えている。

 同校のボランティア組織「末広会」は現在、月一回程度で市内の三カ所の施設を訪問している。「利用者のみなさんから『また来てください』と言われることは、生徒たちに大きな励みになりました。人のために役立てると実感したとき、人は新たに生きる力が与えられるものです」。一九八一年から十五年間にわたって同会の顧問だった元同校教諭の川口美知子(71)は、そう振り返る。

 今年七月、同会会長の内山文(あや)(二年)は、認知症の女性から食事がのったお盆を突き返された。「戸惑いましたが、自分の気持ちを正直に言っていただき、今では感謝しています」と、貴重な体験の場を振り返る。生徒たちは施設利用者の声に耳を傾け、奉仕の精神をはぐくんでいく。

 末広会と一緒に同校のボランティア活動を引っ張るのは生徒会の奉仕委員会。今年六月には末広会の経費や校内行事に収益を充てるバザーを開き、剣道場を埋めた生活雑貨や食品をほぼ完売させた。

 委員長の岡本茜(三年)と石塚亜由美(三年)は「来場の皆さまから、自分のお金が世の中のためになれば−と、買っていただきました」。利益を追求するだけでは得られない満足感を、味わったという。

 奉仕活動に加え、同校の理科系の部活であるバイオ・サイエンス部の活躍も目を見張る。三十年前、矢島喜一教諭(58)は顧問に就任する際、生徒をどう指導していくべきか学校関係者と話し合った。「大学で研究していた先端科学を、高校生にもぜひ学ばせたい」との矢島教諭の願いを、学校側は快諾するとともに「生命の尊厳についても教えられないか」と提案。この結果、一つの細胞から個体になるまでを追う「植物の組織培養」を、今日まで続く部活の研究テーマに選んだ。

 九二年には日本で最も伝統ある中高生の自由研究コンテスト「日本学生科学賞」で、同部は入選一等を受賞。矢島教諭は「新しい研究課題が生徒たちとの議論を通して決まることもあります」と生徒の自主性を尊重する。

 伝統と先端が同居する海の星は、進学指導にも力を入れている。従来の「特進英語クラス」を二〇〇六年から「特別進学コース」とし、国公立大学への進学率を伸ばす方針。併せて同校の特徴である留学制度も継続・発展させ、国際的視野を持った生徒の育成を目指す。(文中敬称略)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索