トップ > 静岡 > 高校・大学周年特集 > 掛川西高100周年 > 記事

ここから本文

掛川西高100周年 天守の杜に

第2部 部活動編 生物部

テレビ出演が話題に 著名な研究者も輩出

文化祭で、生物部の活動内容などを紹介する生徒たち=平成12年6月、掛川西高校で

写真

 「すごく晴れがましい気分でした」。テレビの普及率が、まだほんのわずかだった昭和三十四年十二月。三年生の松下修(昭35卒=現掛川市桜が丘中校長)と菅沼孝行(同=現菊川町六郷小校長)の二人に、民放の出演依頼がきた。新年の「子年」にちなんだ話題のローカル番組に、国立遺伝学研究所(三島市)の博士たちの代役として、掛西高生物部が大抜てきされたのだ。

 当時の生物部員は二十人。「小笠山に知らない植物はない」と豪語するほど現地の植物を採集し、分布状態や小笠を東限・北限とする種類などを明らかにした「植物班」。昆虫の貴重な標本やデータを多数蓄積した「昆虫班」。研究色の強かった「微生物班」。そして、実験用のねずみを繁殖させていた「飼育班」に分かれていた。

 松下らの飼育班は、国立遺伝学研究所の助言を受けながら、正常なラットと突然変異種を掛け合わせて、突然変異が遺伝する割合を検証。また、飼育されたマウスが、野生に近い環境に置かれた時に、体や生理にどのような変化が起こるかを観察していた。野生化の研究では、県の理科研究発表会で入賞している。

 「テレビでの出番は五分程度だったと思います。インタビューにこたえる形で、実験の説明をしたのを今も覚えています」と松下は語る。「番組放送後は学校や近所で話題になり、スターになった気分がしました」

    ◇  ◇

 昭和二十一年に誕生した生物部は、故藤田達也教諭(大14卒)の指導で本格的な活動を続け、深層水の研究などで知られる角皆静夫・北海道大教授(昭32卒)をはじめ、著名な研究者や教師らを数多く輩出している。

 最近の大きな成果を挙げれば、一昨年にヒザラガイの研究で、県内中高生の優れた生物の研究論文に対して贈られる「鈴木梅太郎賞」準賞を獲得したことだろう。

 御前崎などに生息する、視覚を持たない原始的な貝、ヒザラガイは、えさを取るときに移動し、また巣に戻ってくるらしい。その回帰性を証明するため、解剖で歯の部分に強力な磁力を見つけると、「歯を方位磁石にしているのではないか」との仮説をたて、地磁気への反応や、巣にしている岩に含まれる鉄の量などを調べたのだ。

 「これまでの実験ではサンプル数が少なく、はっきりと証明できませんでした。今後はもっと詳しく調べていきたい」(柴田康佑現部長)と研究を継続させる方針だ。さらに、環境問題で注目を浴びているケナフを使って、植物の体積と茎の相関関係を調べるなど、次々と新しい研究も始め、ホームページなどで成果を発表している。

 興味ある対象をじっくりと研究し、地道に成果をあげる−生物部の伝統は、現在までしっかりと受け継がれている。

(文中敬称略)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索