トップ > 静岡 > 高校・大学周年特集 > 磐田南高校80周年 > 記事

ここから本文

磐田南高校80周年 磐田が原の台地に

第3部 磐南の今 理数科(下) 『エリート』の枠を超えて

OB3人を招いての「理数科先輩と語る会」=同高で

写真

 一学期の終業式が行われた先月十九日、OB三人を招いて「理数科先輩と語る会」がはぐま会館で開かれた。一、二年生八十三人が出席。OBが現役時代の思い出や、今の仕事について語り、将来のことについて考え始めた現役生に示唆を与える。四十五回目を迎えた理数科独自の行事だ。

 この日招かれた宮沢宏之さん(27)=磐田市見付、高四十五回卒=は、理数科には珍しく文系学部に進学。もともと文系だった宮沢さんが、理数科を選んだことについて「自分は行きたい大学があって、そこを目指すために競争意識のある教室で勉強したかった。磐南理数科にはその競争の環境があった」と、生徒に明かした。

 理数科の進路は国公立大学の理系や医学部などが目立ち、生徒自身が意識しなくても、周囲は偏見をともなって「エリート」という見方をする。「エリート意識」を積極的な意味で持つ生徒も。担当の笹川裕之教諭は「実は、浪人率は理数科の方が少し高いんです」と明かすように、「滑り止め」で妥協せずに本当に行きたい大学を目指す生徒が多いそうだ。

 一方、「要求されることが高すぎる」という現役生の声も。一般の授業課程を早く終わらせて、残りの期間で受験のための勉強をするなど生徒の負担は大きい。「受験という観点から見ると課程が早く終わるからいい」「高校生活が受験だけのためになってしまう」。生徒からは双方の意見が聞かれる。

 「勉強だけでなく、いろんな考え方をする人が多かった。哲学や倫理など、一年のころからそんな話をしていました」と語る会に招かれた獣医師の石黒博幸さん(28)=浜松市有玉南、同=は振り返る。「研究職を目指しているので、自分たちでテーマをきめてやる課題研究は受験をこえて役に立つと思う」と三年生の山本恵介さん。こういった声からは、ただ「頭がいい」だけではない理数科の姿も浮かび上がる。

 「学歴社会」や「受験戦争」という言葉が否定されるようになった今、磐南理数科が「エリート」という言葉の枠を超えた人材を輩出できるか、これからの卒業生の活躍に期待がかかる。

磐南を語る 3年 中田紗由紀さん

 この高校に入って二年になるが、知らない人が多い。同学年のおそらく半分は、話したことがないかもしれない。しかし、だからこそ一人一人の出会いがとても大切に感じられる。その中には、一生の友がいるかもしれない。自分の未来を揺るがす人がいるかもしれない。私はそんな出会いを求めて、この学校で学んでいる。学ぶということは、なにも勉強だけではないと、この高校に入って気付かされた。

(文中敬称略)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索