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引佐高校100周年  いなさの丘に

第2部 OBは語る(17) 藤野 義夫氏 戦時の入学で波乱

いつの時代も自分を見つめるのが大切と語る藤野義夫さん=細江町の細江神社で

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 神主の家に生まれた藤野義夫(74)=四十一回生、細江町気賀。家では神主の傍ら農業も行っており一九四一(昭和十六)年、農業科へ入学した。

 戦時中で授業よりも実習が多く、米作りや泊まりがけでの養蚕、午後からの授業で農家宅への手伝いに駆り出された。さらに週二回は軍事教練が行われ、銃身を磨き、行進訓練。「学校そのものが戦争に巻き込まれていた時代で生活態度も厳しくて、登下校には先輩に敬礼をしていた」

 四四年春の卒業は前年末に繰り上げられ、藤野は肥料会社に就職。四四年一月から朝鮮・興南市の工場で働いた。二年弱で終戦。「どうしよう」と思案の時、朝鮮半島でたまたま知り合った農家に身を寄せ、四六年六月まで米を作った。「学校の実習が役立った。農家の人も親切だった」と当時の恩を今も忘れない。

 神主の家は世襲制が多く、藤野も帰国してまもない五三年、三十三代神主として跡を継いだ。地元・二宮神社を守り、六八年から地震の神で知られる細江神社の神主を務める。九一年から県神社庁副庁長も務めている。

 波乱含みの人生を歩んできた藤野。今も同町で農業を営む同級生の村上正香、永田武雄らとあらためて語る。「時代が変わっても自分を見つめることが一番大切だ」。

(文中敬称略)

 

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