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引佐高校100周年  いなさの丘に

第2部 OBは語る(7) 野沢 勝氏 歌舞伎の後継者育成

今は伝統の横尾歌舞伎保存に努める野沢勝さん=引佐町横尾歌舞伎資料館で

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 さまざまな分野で活躍するOBたち。その一人野沢勝(75)=四十回生、引佐町白岩=は約二百年の歴史を持つ農村歌舞伎「横尾歌舞伎」の保存会長として、伝統文化の保護に尽力する。母校の思い出は「戦争のおかげで本を開くより実習ばかりだった」と振り返る。

 農家の跡継ぎで一九四〇(昭和十五)年、引佐農学校へ。当時は食糧増産が急務で、野沢も学校近くの雑草地を開墾、麦、サツマイモなどの栽培にもっぱら明け暮れた。

 戦局の進展に伴い学校では軍事訓練も多く「太平洋戦争が始まった日は全校生徒が近くの神社へ参拝した」という。実習の合間に出征兵士の家で労力奉仕もした。戦争のため、四三年三月の卒業も半年繰り上げられた。

 四五年一月には徴兵で岐阜市の陸軍六十八連隊に入隊。じきに終戦となり、故郷に戻り農業を始めた。その後、野沢の農地が住友セメント会社の建設地にかかり「農業も大変だしサラリーマンになろう」と同社に就職、人生の再出発を切った。

 七四年退職後は地元自治会長や町議を二期務めた。横尾歌舞伎とのかかわりは学校卒業時から。「義経千本桜」などの舞台にも立った。九八年に歌舞伎保存会長となり後継者育成に忙しい。「学生時代は戦争とともに過ぎたが、何事にも負けない精神力はその時に身に付いた」と今でも感謝している。

(文中敬称略)

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