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引佐高校100周年  いなさの丘に

第1部 歩み(4) ウルシの大木 開校を記念し植樹

今も保存されているウルシの切り株=引佐町金指の引佐高校で

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 一九八八(昭和六十三)年五月十三日、校舎東側の道路沿いのウルシの大木が強風で倒れ、道路をふさぐ騒ぎがあった。ウルシの木、一九〇二(明治三十五)年に引佐高の前身、引佐農業学校開校を記念して一回生が「神樹」として植樹した、思い出の木だった。

 伊東要蔵の働きで一九〇二年三月十七日、開校認可された引佐農業学校。四月十四日には開校式が盛大に行われ、引佐郡とその周辺から新入生三十二人、二年生(引佐高等小学校からの引き継ぎ)三十二人と教師三人が出席。来賓で引佐郡長らも駆けつけ待望の高等教育の拠点誕生を祝った。

 生徒は修業年限三年で習字、修身、化学、養蚕、作物など二十一科目を学ぶ。各科目四十五点以上が合格で総合平均で六十点に満たないと進級できない厳しさがあった。

 一九一八(大正七)年卒の竹田保(99)=細江町気賀=は今も家族に当時の学校生活のことを話すという。竹田は園芸が好きで卒業後は養鶏、ブドウ栽培など地域農業の中心として活躍。「学校はのんびりして先生も厳しくなかった。柔、剣道の授業はおもしろく引佐農業学校に入ってよかった」と懐かしむ。

 創立以来、学校を見守ってきたウルシの木がなくなり、卒業生の多くをがっかりさせた。学校では創立時の生徒たちの気持ちを大切にしたいと、今も切り株の一部を保存している。大木が倒れた年、新入生らが「先輩たちの伝統を受け継ごう」とキンモクセイを植樹した。今、新たな記念樹が学校の歴史を見つめている。

(文中敬称略)

 

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