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浜松市立高100周年 心に誠・愛・節

卒業生(4) 「楽しかった」福祉一筋の人生

 浜松市立高校の卒業生には、浜松を飛び出して活躍している人も大勢いる。平野綾子さん(78)=高女37回卒、三重県伊勢市=もその一人だ。浜松の福祉事業の草分け的な存在で、現在は三重県度会町のケアハウス「伊勢度会彩幸」の理事として活躍している。

 「あの当時は生き生きとしていた」。戦時中に送った現役時代を懐かしそうに振り返る。前向きな性格で「そのやり方は建設的じゃない」と口癖のように周囲に言っていたことから、ついたあだ名は「けんせつ」。「あだ名の通り、その後の人生も“建設的”に送ってきたみたい」と笑う。

 市立高校卒業後、小学校教員、栄養士、看護婦など数々の資格を取り、昭和四十七年から福祉の道を歩み始める。翌四十八年、浜松で初めての特別養護老人ホーム「静光園」を開設。目の不自由なお年寄りのための老人ホーム「第二静光園」など二つの老人ホームも軌道に乗せると、その経験を買われて隣県の豊橋からお呼びがかかった。豊橋市では特別養護老人ホーム「彩幸」を開設。三重県度会町からも声がかかり、「伊勢度会彩幸」の開設に携わった。

 明るい人柄で、周囲に自然と人の輪ができる。平野さんの人柄にひかれて、浜松から「伊勢度会彩幸」に入所しているお年寄りもいるほどだ。一方で施設開設のために奔走し、県庁や市役所の職員相手に自ら交渉ごとを行う力強さも。浜松、豊橋、三重県度会町と忙しく渡り歩いてきた福祉一筋の人生だが、「とても楽しかった」と目を細める。

 市立高校では、現役生が「静光園」など平野さんが開設した老人ホームの慰問を続けている。「障子の張り替えや行事の手伝いなどしてもらって、助かっています。卒業して私の所で手伝ってくれている人も」と平野さん。「私の後に続く人が後輩から出てくれれば。協力もしたいし、励ましてもあげたい」と次の世代に期待する。

 平野さんは月に一回ほど自ら車を運転し、フェリーに乗って浜松にも訪れる活動家。「そろそろ自分も施設に入所していい年齢ですが」と笑うが、「自分が元気なうちは、どこかで声がかかれば力添えはしたい」と、まだまだ現役を続けていくつもりだ。

(文中敬称略)

 

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