トップ > 静岡 > 高校・大学周年特集 > 浜松市立高100周年 心に誠・愛・節 > 記事

ここから本文

浜松市立高100周年 心に誠・愛・節

部活動(5) 箏曲部 県大会2連覇を目指す

県大会2連覇に向け練習に励む箏曲部員ら=浜松市立高校で

写真

 浜松市立高校箏(そう)曲部が同校の講堂で一カ月後に控えた県大会の練習をしていると、引退した三年生が見にやって来た。現役部員は発表する曲を披露。昨年の県大会に優勝した三年生は「早い曲だから指遣いをしっかり」「調弦がずれている時もあるから、気をつけて」などとアドバイス。その光景を見ながら、指導者の吉田真琴さん(70)=高1回卒=は目を細めていた。

 戦後間もなくの昭和二十年代前半。当時浜松市立高校三年生だった吉田さんは、週一回、夜行列車に乗って東京に通っていた。現代邦楽の父とも呼ばれる宮城道雄(一八九四−一九五六年)に師事し、直接指導を受けていたのだ。「当時の先生たちも理解を示してくれたので、授業を休んで行っていました」と吉田さんは振り返る。

 浜松に戻った吉田さんは五十年前、現在の宮城社真琴邦楽会につながる浜松宮城会を発足させた。以来、後進の指導に当たってきた。

 「母校の後輩たちにも、邦楽に親しんでもらいたい」と吉田さんが思い立ったのは、平成元年。二年後輩の知り合いで、同校の家庭科教諭をしていた沢木恭子さん(69)=高3回卒=に話を持ちかけた。「生徒に声をかけてみると、十五人が集まった」と沢木さん。庭にござを敷き、吉田さんから借りた琴を使ってのスタートだった。

 それから十二年。浜松市立高校箏曲部は、吉田さんと娘の理世(まさよ)さん、道美さんの指導を受けながら、めきめき腕を上げた。昨年は初めて県大会で優勝し、今年の全国高校総合文化祭では、五位から八位に当たる優秀賞を獲得した。

 「(県大会優勝は)信じられなかった。指導者や環境に恵まれていたと思います」と前部長で三年生の竹田多恵子さんは喜びを込めて話す。

 三年生が引退して、現在部員は二十三人。十一月上旬の県大会で演奏する難曲「琉球民謡による組曲」に取り組んでいる。吉田さんらが指導するのは週一回。その他の日は、琴を始めて約半年の一年生に、二年生がマンツーマンで指導して練習に励んでいる。

 「市立の生徒たちは素直な子が多い。だから琴の上達も早い」と吉田さん。県大会二連覇の期待を背負った二年生で部長の酒井郁美さんは「練習は大変だけど楽しい。今のメンバーで大会の曲の完成を目指したい」と力を込めていた。

(文中敬称略)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

中日新聞しずおかの記事はこちら

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索