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浜松市立高100周年 心に誠・愛・節

4代の系譜 母から娘へ受け継がれる校風

浜松市広沢にキャンパスを広げる市立高。21世紀初年の今年、1世紀の節目を迎える=本社ヘリ「わかづる」から

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 遠州の女子教育を、一世紀にわたる校史とともに築いてきた浜松市立高。母から娘、娘から孫、孫からひ孫へ…と郷土に広がる系譜は、枚挙にいとまがない。

 「うちは女の家族が多くて」という井本史子さん(70)=高女45回卒、浜松市蜆塚=の場合、▼母の鈴木うめさん(97)=高女18回卒、同市富塚町▼長女の松井かをるさん(42)=高29回卒、同市都田町▼孫娘の松井ひとみさん(17)=現役3年=の四世代が市立を受け継いできた。

 「実は、ほかにも…」と、照れて語る史子さんは四人姉妹の二女。▼長女の石川ちょうこさん(74)=高女41回卒、同市富塚町▼三女の岩城迪子(みちこ)さん(68)=高4回卒、横浜市▼四女菅野操さん(65)=高7回卒、長野市=もそろって市立の卒業生だ。

 「私の世代も…」と、かをるさんが補足した。かをるさんは長女で▼二女の藤田しをりさん(37)=高34回卒、神奈川県南足柄市=、さらには▼義理の妹の娘、井出あゆみさん(15)が今春入学した。

 「うちの家系ばかり紹介しても意味がないでしょ」と穏やかな口ぶりで会話に加わるひとみさん。以前、現役生のクラスで調べたところ、「三世代続く家庭は、クラス全体の約三分の一を占めた」という。

 かつての浜松。進学校を選ぶ時、女は市立という風潮が強かったが、史子さんたちは娘や孫に「市立へ行きなさい」と勧めたわけでない。でも娘たちは同じ道を選んだ。「浜松では、それだけ市立の存在が大きいのでしょう」と、かをるさん。

 うめさんの時代は、まさにエリートだった。その割に「馬冷校舎は狭く汚かった」が、「校舎わきの桜は美しかった」と振り返る。史子さんの時代は戦争で作左山校舎が焼失し、広沢校舎に移った不遇な時代。「苦難を乗り越え、厚い友情と、たくましさを培った」

 校舎も制服も四回変わった今、安定期の感がある、かをるさん・ひとみさん親子の時代。順位の優劣を付けず佐鳴湖の周囲を走る校外走(マラソン大会)や家庭科の調理検定、マナー教室、夏休みにはプールに五回以上通うという“ルール”など、二十年前と今は同じ。「変化した良さと、変化しない良さを併せ持つ。それが市立の百年」

 ひとみさんが入学した平成十一年春。四世代そろって母校を訪れ、記念撮影をした。史子さんは、この時の思いを「四世代(よせだい)の 学び舎(や)同じ 花いばら」という俳句で表現した。花いばらとは、同校シンボルフラワーのナニワイバラを指す。

 各世代が、さまざまな思い出を胸に抱いて迎える百年の節目。白亜の校舎が誇らしげに見えた。

(文中敬称略)

 

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