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浜松市立高100周年 心に誠・愛・節

音楽史(下) 情熱引き継ぐ「いちりつ同楽会」

昨年3月に開かれた「いちりつ同楽会」定期演奏会の出演者ら=アクトシティ浜松中ホールで

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 市立の音楽教育は、先駆者・相曽たみさん(故人)から娘の相曽敷子さん(88)=浜松市坪井町=へと引き継がれ、多くの音楽家を輩出する源となった。さらに敷子さんは、各音楽分野の第一線で活躍する卒業生でつくる「いちりつ同楽会」を昭和三十七年に設立。初代会長として活発な演奏活動を行い、浜松の音楽振興に尽くしてきた。

 敷子さんは、母たみさんが市立から転任した富士高女(現・吉原高)を卒業後、母と同じ東京音楽学校(東京芸大)の師範科へ進んだ。ピアノや声楽の技術を磨き、戦後間もない昭和二十二年八月、市立に赴任した。

 戦中は軍歌しか歌えず「歌を忘れた市立」といわれたが、敷子さんは二十三年間の在職を通じ、「音楽と行儀作法に厳しい先生」として、熱心に“音楽の若い芽”を育て上げた。現在は、体調を崩しがちだが、教え子たちが、各音楽分野で後を継いでいる。

 「音大への進学生も増え、卒業後浜松に戻る音楽家も多い。音楽を通じて豊かな人間性と、同窓のきずなを深めよう」という敷子さんの呼び掛けで始まった同楽会。現在百九十七人の会員を数え、隔年の定期演奏会のほか、ニューイヤー、サマー公演を催す。現役生の琴や吹奏楽演奏、合唱が加わることも多い。

 出演するには、オーディションを通過しなければならないほど本格志向だ。平成十年から、二代目会長に就任したドラマチックソプラノの声楽家大野恵子さん=高10回卒、名古屋音大教授、浜松市富塚町=は「舞台に立つ者が本物を提供しなければ来場者に失礼ですから」と話す。

 本物を目指す厳しさは舞台上だけではない。裏方も細部にわたって担当者を決める。「これは敷子先生の時代から踏襲しているやり方です」と森崎輝子さん=高18回卒、同市野口町。カワイ音楽学園で三十年近く講師を務める森崎さんは、子どもに音楽を教える先生たちの先生。「厳しさの先にある音楽の楽しさを伝えたい」という。

 浜松ライオネット合唱団の団長初村則子さん=高22回卒、同市上島=は「自分にとって同楽会は、音楽の世界への羅針盤。会を通じて年齢の異なる大切な友人に巡り合えた」と語る。次回の同楽会の定演は来年五月。創立四十周年の記念演奏会になる。浜松交響楽団のステージマネジャー竹内清子さん=高20回卒、同市富塚町=は「浜響のオーケストラと、同楽会のピアノ、声楽などを共演させますよ」と公演の一部を明かしてくれた。

(文中敬称略)

 

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