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浜松西高80周年 西山台に時移り

未来編 中高一貫 6年間体系的に学習

1期生の入学式。この生徒たちは来月、高校生になる=いずれも浜松西高で

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 三年前、真新しい中等部校名板が取り付けられた東坂と西坂、北坂それぞれの校門をくぐったあどけない顔の中等部一期生も、四月から高等部に上がる。

 二〇〇二年四月、県内公立高校の併設型中高一貫教育モデル校として開校した浜松西高中等部。六年間体系的に学び、高校受験がない分、精神的ゆとりを持って学校生活を送ることができるようにと導入された。「大地に根を張る骨太の教育」をスローガンに、高い知性と豊かな人間性を兼ね備え、国際社会でリーダーとなる人材の育成を目指す。

 四クラス百六十人の定員に対し、初年度は千七人が殺到、倍率は六・三倍に上った。入学者選抜は総合適性検査と面接、作文で実施。選考のポイントは「生活の中での事柄・事象等を題材とし、主として、理解力、思考力や課題を発見し多様な方法で解決する力をみる」となっている。中等部のカリキュラムは理数、英語、国語に重点を置いた少人数授業。中高一貫校の特例措置により、中等部は教科「表現」を創設。国語と英語の領域を扱い、国語は作文、英語はディベートなどで表現力を養っている。

 理科と数学は、選択教科などを合わせると、標準時間数より三年間で各五十時間程度多い。一時限は通常より五分長く、高等部と同じ五十五分。他校に比べ一週間の授業が二時間多く、「裁量の時間」として読書などに充てている。

  一貫校のメリットは、中高の枠をはずし長期的視野で授業計画が立てられること。現在、延べ二十人ほどの教員が中等部、高等部の授業を兼務して独創的に展開。理解度に沿って高校の内容にまで踏み込む。中等部教務主任の永田友美は、受験対策の詰め込み教育ではなく「高三では大学ゼミのような深い勉強も可能」と胸を張る。

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 今年一月、三年生を対象に「卒業確認テスト」を行った。高校受験がない分、中だるみを防ぎ三年間の学力の定着を図るのが目的だ。永田は受験勉強を経た他の中学生と学力に差が出るのでは、との指摘に「他校は三百メートル走、西高中等部は六百メートル走をやっているのと同じ。単純な比較はできない」とした上で、「西高は六年で完結する教育。基礎基本と幅広い知識を身につけた生徒たちは、大学受験の勝負の年となる高校二年で大きく飛躍する」と期待する。

 中等部二年の加茂貴星は「他校の友人は塾でハッパを掛けられ大変そう。受験がないのは多少不安」というが、「西高は先生方が熱心で、個性的授業をしてくれる」と、全面的な信頼を寄せる。塾は、の問いに弦楽部先輩の高等部一年石川直人とともに「授業をしっかり聞いていれば必要ない」ときっぱり。

 弦楽部は中高一緒に部活動を行う。中等部生は高等部生の指導を受け、高等部生は技術を持つ中等部生から刺激をもらい、関係は良好だ。文化祭や体育祭など、学校行事も中高一緒。石川は「中高の間に仕切があった。でも、今度中等部生がそれを破って高等部に入れば、本当の意味で一緒にやっていけると思う」。

     ◇

 この春、東京の芸術系の高校に進学する一人を除き、百五十七人全員が西高に進む。戦後の六・三・三制の反省点に立って始まった中高一貫教育。公立中のさきがけとなった西高は教育界や卒業生らの期待を背負いながら、新たな歴史と伝統を築いていく。

(文中敬称略)

 

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