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浜松学芸高100周年 学芸の詩

現況編 朝の読書 人生の書と出合う機会

静寂の中で朝の読書にいそしむ生徒たち=浜松市下池川町の浜松学芸高校で

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 凛(りん)とした空気に静寂。時折、本をめくる音のみが教室に響く。

 「読書タイム」と称した朝の読書(朝読)。毎朝始業前の午前八時半から十分間、全校生徒、教師らが一斉に読書をする。「集中力がついた」「遅刻者が激減した」「読書好きになった」などと「効果は絶大」(学校当局)。戦前からの朝の講話「アソカ会」に変わる「心の教育」として服部頴明理事長は「文字を通した自己観察、自己実現できる貴重な時間」と位置付けている。

 朝読は全国の小中学校、高校で広がりをみせ、今年六月二十五日現在の導入校は九千二百余校。学芸は一九九六年、全国先駆けの千葉・船橋学園女子高と本県先発の新居高を視察。翌年六月導入した。九九年一月には朝の読書推進県大会(実行委員長・中村誠校長)を本校で開催し、同年十二月、教師らの感想をまとめた冊子「心の教育と朝の読書」を刊行。こうした朝読推進活動で翌年、本校は、はごろも教育研究奨励賞に輝いた。

 冊子の中で、中野勝吉教頭は「十分間とはいえ継続すれば十日から二週間で一冊は読み通せる。全国的に一カ月に本を一冊も読まない高校生が六割に上る現状、実に有効」。新村信幸教諭は「静まり返った十分間は心の調和と安定をつくり出す」と主張する。また、酒井あやの教諭は「保護者アンケートで生徒から本を勧められた親が十七人中五人もいた」と家庭への波及効果を挙げた。

 朝読を「有意義」(80%)「楽しい」(70%余)とする生徒のアンケート結果を示す大塚功教諭は「難解なデカルトの『方法序説』に挑戦する生徒もいれば、小中学生向きの書を愛読する者も。最愛の恋人に出会うのと同様、人生の書と出合える機会」と指摘する。

 与謝野晶子訳の『源氏物語』をひもとく三年の山下祐介は「散漫な状態から集中へシフトする時間が短くなり勉強にも役立っている」。ベストセラー小説『白い犬のワルツ』を愛読する同・橋本侑希は「読書ぐせがつき、同時に規則正しい生活も身についた」といずれも絶賛していた。

(文中敬称略)

 

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