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二俣高校90周年 「木の花」の下で

卒業生は語る 永江澄さん(高女30回卒)

学ぶ楽しみ奪った戦争

 畳敷きのアトリエに入ると、圧倒的な量の掛け軸や絵画が目に飛び込んできた。“禅画”と呼ぶ自作の数々。達磨(だるま)やお坊さんなどを題材の中心に、外国人から求められて日本の四季を描いた作品も多い。日本宗教画法学院名誉理事、日本禅画家協会縁起絵師法印などの肩書を持つ永江澄(76)=高女30回卒、掛川市下垂木、雅号は自知(じち)=は、「見る人がにこっと笑い、少しの癒やしになってもらえればうれしいですね」と笑顔を見せる。

 入学したのは戦争が激しくなってきたころ。「楽しみにして女学校へ入ったんですが勉強もそこそこで…。農園作業や勤労奉仕、そして学徒動員。思い出すのは空襲で逃げ回ったことばかり」と青春時代を振り返る。

 卒業後は小学校で二年間教員を務め、縁あって現在の住まい、曹洞宗永江院(ようこういん)に入る。長く茶道に親しみ、子育てを終えて俳句の楽しみも増えた。自ら絵筆を持つようになったのは三十年ほど前。庫裏のふすま絵を絵師に描いてもらったとき、毎日墨をするうちに墨絵の魅力に引き込まれた。

 描く禅画は「温かみがあって面白い」と評判を呼び、雑誌などで紹介されたり個展も開くようになった。海外からの引き合いも多く、作品を提供する。「つらい時もありましたが今は充実した毎日。悔いのない人生を送りたいですね」。そううなずいて目を輝かせた。

 九十周年記念事業として実行委員会主催による記念展「秋野不矩と母校の後輩たち」が、十一月四日から十三日まで秋野不矩美術館で開かれる。絵画や陶芸、書、イラスト、ガラス工芸など芸術の分野で活躍する卒業生十一人が参加し、その一人として禅画の作品を紹介する。「皆さんからどんな評価をいただけるか楽しみです」と記念展を心待ちにしている。

文中敬称略

 

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