第134回中日レディーズサロン(中日新聞東海本社主催)が3月15日、浜松市のホテルコンコルド浜松で開かれ、食生活ジャーナリストの岸朝子さんが「美味(おい)しく食べて健康長寿」と題して講演した。栄養バランス、朝食の大切さを強調し、「健全な体と心は食べ物から始まる」と呼びかけた。
料理記者歴五十年以上となった岸さんは、女子栄養学園に進んだきっかけを「ロールバターにのりをかぶせたサンドイッチに魅せられた」と説明した上で、子ども四人を抱えて主婦の友社で働いた当時を「徹夜、出張もあったが、子どもが無事に育ってくれたのは、朝食と弁当をしっかり作り、夕食もメーンディッシュを用意してから出社し、家族の食事を大事にしてきたからと思う」と振り返った。
昭和二十年代を「胃袋で食べる時代」、三十年代を「舌で食べる時代」、四十年代を「目で食べる時代」、五十年代を「頭で食べる時代」と総括。六十年代は「みんなそろって食べ、ごちそうさまを言う“心で食べる時代”になってほしいと思ったが、実際は、レトルト食品などの“ふくろの時代”になり、食文化が失われてきた」と残念がった。
さらに「現代は孤食の時代。家族が同じテーブルに座ってそれぞれコンビニ弁当を食べ、一人で食事する子どもも多くなった」と説明。「肥満児も増え、生活習慣病の若年化が進んでいるが、健康はお金に代えられない」と警鐘を鳴らし、栄養バランスや地産地消の大切さを説く食育、スローフード運動を紹介した。
また、「ダイエット中の女性から、涙が止まらなくなったと言われたが、油を摂取せず、網膜が乾いたから。植物性油にはカロテンをビタミンAに変える作用もあり、一日小さじ四杯程度が必要。ダイエットには、早寝早起き、朝ご飯が最適」と指摘。「おいしいものを食べると心の健康になるが、大人は栄養バランスも考え、子どもに何をどれだけ食べればいいか、教える義務がある」と強調した。