第132回中日レディーズサロン(中日新聞東海本社主催)が11月17日、浜松市のホテルコンコルド浜松で開かれ、社団法人漫才協会会長の内海桂子さんが「転んだら起きればいいさ」と題して講演した。70年になる芸歴や、豊富な人生経験から「年寄りの知恵をうまく生かせば、世の中はもっと良くなる」とユーモアを交えて語った。
内海さんは戦前、十代で東京・浅草の演芸場の舞台に立ってから、亡くなった内海好江さんと四十八年間も漫才コンビを組んで人気を集めるなど、山あり谷ありの人生をきっぷのいい語り口で振り返った。
現代の社会問題にも触れて、相次ぐいじめによる子どもの自殺について「いじめは昔からありました。自殺ははやりものでしょうけど、もっと強い了見(考え方)を持たなきゃね。生きていれば楽しいことがあると、誰かがごつんと言ってやらないといけない」と話した。
約二十歳年下の夫と暮らしていることなどを引き合いに「亭主は女が手の上で転がしてやるから働く」「男は遊ばせないと駄目。遊ぶことで社会勉強をする」。
昨年末にJR東京駅で転んで頭にけがをしたが、病院に毎日二度バスで通って治療を続けながら、仕事はほとんど休まなかった体験も紹介。「これだけの年なのでかえって、楽をしてはいけないと自分を奮い立たせた。皆さんも年上の者が動いていれば、しっかりしなくてはと考えるでしょ。私はそういう人たちのために生きようと思うの」と笑いを誘った。
講演の締めくくりに、得意の都々逸を演じた。浜松がものづくりの街であることにちなんで「−ものづくり 遠州浜松 栄えるもとは 女がささえる 底力−」。日本の政治に皮肉も込めて「−年寄り いたわるばかりが 政治じゃないよ 生かして使えよ 老いの知恵−」。この二題のオリジナルの都々逸を名調子で披露し、聴衆を大いに沸かせた。