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付き添い要求「差別」と提訴 愛知、医療的ケア児の両親

 たん吸引が必要な愛知県尾張地方の公立小学校に通う男児とその両親が、吸引器の購入や登下校時の付き添いを強いられたために経済的、精神的負担を被ったとして、地元自治体を相手取り、慰謝料など計330万円を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。提訴は7月13日付で、13日の第一回口頭弁論で自治体側は争う方針。

 訴状によると、男児は生後数カ月で気管が狭くなる「声門下狭窄症」との診断を受け、気管を切開。気道を確保するチューブを挿入して生活している。たんを吸引して窒息しないようにする必要があり、学校にいる時間帯も1回ほど校内でたんを取っている。

 ただ自治体の要綱は「保護者が医療的ケアを実施するための器具など(の費用)を負担し、持参できない時はケアを依頼しない」と定め、両親は4年半ほど、吸引器を毎日学校に持っていった。さらに、集団登校を巡る対応について学校側が他の児童の保護者らとの調整を怠ったため、登下校時や校外学習の際に男児に付き添ったという。

 学校側の対応について両親らは「ほかの児童生徒にはない条件を課し、障害を理由にする不当な差別的扱いだ」と主張。障害者への配慮を自治体に義務付けた障害者差別解消法にも違反していると訴えている。

 自治体の教育委員会は取材に「係争中なので詳細は答えかねる」とコメントした。

 男児のような「医療的ケア児」を支援するNPO法人地域ケアさぽーと研究所(東京)の下川和洋理事によると、入学後の学校の対応を巡り裁判に発展するケースは異例。「学校と保護者が話し合い、それぞれの役割を明確化すれば問題は起きないはずだ。裁判に至るケースは増えない方が望ましい」と話した。

(中日新聞)

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