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委託契約せず社協が業務 あま市、派遣法抵触恐れ

 愛知県あま市が、民間団体である市社会福祉協議会(市社協)と業務委託などの契約を結ばずに、市社協の職員を市が運営する地域包括支援センターの窓口業務などに従事させていることが分かった。市は2010年から毎年6〜8人を受け入れている。業務は市が指示しており、事実上の労働者派遣に当たる可能性が高い。専門家は、許可のない事業者による労働者の派遣を禁じる労働者派遣法に抵触する恐れがあると指摘している。

 あま市社協は介護保険の事業所運営や障害者の相談事業などを実施。旧七宝、美和、甚目寺の3町が合併してあま市が誕生した10年、旧3町の社協が合併してできた。労働者派遣業の許可はない。

 市や市社協によると、センターで働く保健師や社会福祉士などの資格がある市職員が足りないため、市社協に人材の派遣を要請し、市社協が応じた。センターの管理者である市高齢福祉課長の指示下で、高齢者の介護予防のケアプランの作成や虐待への対応などを担う。

 市は人件費や諸経費として毎年約3千万〜3700万円を市社協に支出。2017年度は8人を受け入れ、約5千万円を予算化した。8人のうち3人は市の発足以来約7年間、センターで勤務している。

 市の担当職員が15年度、労働者派遣法に抵触する可能性に気づいた。このため、両者はセンターでの業務を市社協の業務とみなす協定を16年4月に締結。市から支援要請があった場合、市社協の業務に支障がない範囲で要請に応じると規定した。

 業務の範囲をあらかじめ決め、外部委託する業務委託契約を結べば、労働者派遣とはみなされない。ただ、両者は業務委託契約を結んでいない上、市が市社協の職員に直接指示をしており、事実上の労働者派遣の状態が続いている。

 市は18年度からセンターの業務の多くを市社協に委託する方針を決めた。村上浩司市長は本紙の取材に「法律に抵触するのであれば是正し、住民サービスの向上を目指したい」と話している。

◆市が監督なら派遣労働

 労働問題に詳しい名古屋北法律事務所の白川秀之弁護士の話 市が業務を直接指示、監督しているのであれば派遣労働に当たり、法律違反になる可能性がある。支援協定は一定の範囲で市社協が業務に応じる請負(業務委託)契約に見えるが、実態が派遣労働であれば、偽装請負の疑いがあると言わざるを得ない。民間では珍しくないが、公的機関では聞いたことがない。

(中日新聞)

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