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名張事件、新証拠を提出 弁護団「封かん紙、貼り直し明らか」

 三重県名張市で1961年3月、女性5人が毒殺された名張毒ぶどう酒事件で、奥西勝元死刑囚の死亡から2年となった4日、第十次再審請求中の元死刑囚の遺族の弁護団は新証拠を名古屋高裁に提出した。名古屋市内で会見した弁護団は「弁護側、検察側双方の意見が出そろった。速やかに再審開始を」と訴えた。

 確定判決は、ぶどう酒の瓶口をふさいでいた封緘(ふうかん)紙が発見された事件現場の公民館で、1人になる機会があった元死刑囚が毒物を入れたと認定した。

 これに対して弁護側は昨年5月、「ぶどう酒の製造段階で使ったのりとは異なる洗濯のりの成分を封緘紙から検出した」との鑑定結果を高裁に提出。現場に届く前に第三者が毒物を入れ、封緘紙を貼り直した可能性を指摘したが、検察側に「不明な物質が多数混合している」と否定された。

 弁護側は今回、その意見に反論するために実施した追加実験の結果などを新証拠として提出した。事件当時、一般家庭で使われていた洗濯のりを封緘紙に見立てた紙に塗布。4種類の濃度で測定すると、実際の封緘紙から検出された成分と矛盾しなかったため「封緘紙が貼り直されたことは明らか」と強調した。

 弁護側は会見で「のりに関する問題は、これまで裁判で争われたことがない」と新証拠の重要性を強調。再審開始に向けて「高裁と弁護側、検察側による三者協議を開く時期に来ている」と訴えた。

 奥西元死刑囚は89歳だった2015年10月4日、収監先の医療刑務所で死亡。妹の岡美代子さん(87)=奈良県山添村=が再審請求を引き継いでいる。

(中日新聞)

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