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名張市に市議への賠償命じる 名古屋高裁控訴審判決

 三重県名張市議会の議員視察に参加しなかったため議会から厳重注意処分を受け、名誉を傷つけられたとして、柏元三市議(73)=無所属、一期=が市に500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が14日、名古屋高裁であり、藤山雅行裁判長は訴えを退けた一審判決を破棄し、慰謝料50万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 判決理由で藤山裁判長は、地方議会の委員会が実施する視察一般について、反対する議員に参加義務はないと認定。名張市議会の委員会が視察を決めるのにあたり、議決しなかったことも市議会委員会条例に違反しているとした。処分によって「議員としての社会的評価が低下した」などとして、名誉毀損にあたると認めた。

 判決によると、柏市議は教育民生委に所属していた2015年1月、中国・九州方面への視察の必要性に疑問を感じて反対意見を述べ、参加しなかった。これに対して翌月、議会運営委が「正当な理由なく欠席した」などとして市議長名で厳重注意処分を出した。

 柏市議は15年8月、津地裁に提訴。16年8月、「処分は地方議会の自律権の範囲内で決まったことで、司法審査が及ばない」などとして棄却された。

 控訴審で柏市議側は、委員会で視察の決定手続きがなかったなどと主張した。

 国家賠償法で、地方公務員が故意または過失によって他人に損害を加えた際、地方自治体が賠償の責任を負うと定められている。地方公務員法により地方議員は地方公務員の特別職にあたるため、名張市の賠償責任の有無が争われた。

 判決を受け、柏市議は「現在の視察は市民のためにほとんど役に立っていない。変えようと挑む議員に勇気を与える判決」と評価した。

 名張市の亀井利克市長は「判決内容を精査し、対応を検討する」、細矢一宏議長は「極めて遺憾な判決。このまま受け入れるには大きな抵抗を感じる」とコメントを出した。

(中日新聞)

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