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「保存会」不使用求め提訴 桑名石取祭、元会長の男性

 昨年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された三重県桑名市の国重要無形民俗文化財「桑名石取祭」を巡り、「桑名石取祭保存会」の商標権を持つ元会長の男性(67)が、保存会の名を使った祭りの運営の差し止めを求め、津地裁四日市支部に提訴した。

 訴状によると、元会長は「現保存会は伝統に基づいた氏子組織でなく、継承性のない疑似団体。祭りも神事と似て非なるイベントだ」と主張。保存会名が入ったグッズ販売もやめるよう求めている。提訴は1日。

 元会長と祭り関係者によると、かつての保存会は、祭り会場の春日神社(桑名市本町)の下部組織で、会長は氏子の代表「社頭(しゃとう)」が務めていた。石取祭に注力する保存会と、後日開かれる本祭「前期桑名祭」を尊重する神社側が次第に対立。2007年には石取祭当日に神社を閉門し、締め出す事態になった。

 保存会は08年に規約を改定し組織を改編。神社の下部組織ではなく、役員は各町の代表者で構成し石取祭を運営するように。氏子組織は前期桑名祭をはじめとした祭事を支え、社頭は置かなくなった。

 元会長は06年3〜9月に社頭としては最後の会長を務め、08年6月に商標権を出願し、09年4月に取得した。元会長は取材に対し「祭りがおかしな方向にいかないように」と意図を説明、保存会について「実行委員会などへ名称を変えるべきだ」と語った。

 保存会の伊藤守会長(64)は「組織を改革したのは祭りを後世に残していくため。行政や神社にも認めてもらっており、継承性がある。保存会は団体名であって営利の商標ではない」と争う姿勢を示す。「祭りは関わっている市民全体の財産であり、個人が権利を持つべきなのか」と疑問視する。

 <桑名石取祭> 春日神社の「前期桑名祭」で石を奉納していた神事が、江戸中期の宝暦年間に祭りとして独立した。8月第1週の土、日曜に夜通し鉦(かね)と太鼓を鳴らす「日本一やかましい祭り」として知られる。2007年に国重要無形民俗文化財。昨年12月1日(日本時間)にはユネスコの無形文化遺産に国内の「山・鉾(ほこ)・屋台行事」の1つとして登録された。

(中日新聞)

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