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土岐の核融研、重水素実験を開始 周辺で50人抗議

 物質の原子核同士をぶつけ、新しい原子核を作り出すことで膨大なエネルギーを生み出す核融合発電の実現を目指す岐阜県土岐市の核融合科学研究所(核融研)は7日、核融合炉設計につながる基礎実験「重水素実験」を開始した。記念式典も開かれ、文部科学省と自然科学研究機構の関係者や研究者ら300人が出席。一方、研究所周辺では実験に反対する抗議集会があり、県内外から訪れた50人がプラカードを掲げて気勢を上げた。

 核融合発電は、実現すれば海水から取り出せる重水素0・1グラムとリチウム0・3グラムを燃料として、日本の1人当たりの年間電気使用量を発電でき、二酸化炭素を出さないとされる。

 実験は直径14メートル、高さ10メートル、総重量約1500トンの大型ヘリカル装置(LHD)で、核融合で必要とされるイオン温度1億2千万度の高温高密度のプラズマ生成と維持を目指す。7月7日までを1サイクルとして、9回の実験を予定している。

 実験では、放射線の中性子と放射性物質のトリチウムが発生する。核融研によると、中性子を厚さ2メートルの壁と1・3メートルの天井で1千万分の1に減衰させ、トリチウムは2種類の除去装置を使って95%以上を回収。敷地内の中性子とガンマ線を計測してホームページで公開するほか、トリチウムは排気中の濃度を1週間ごと積算値で公開する。

 式典では、重水素ガスを装置内に注入し、比較的低温で加熱して生成された重水素プラズマが大型モニターに映し出されると、会場から歓声と拍手が起こった。竹入康彦所長は「安全管理、危機管理を徹底して実験を実施し、世界最高水準の研究を推進する」とあいさつした。

 <核融合科学研究所> 1961(昭和36)年、名古屋大に設立されたプラズマ研究所が母体。89年に文部省所管となり、現在の組織・名称に改組。97年、岐阜県土岐市に移転し、2004年に大学共同利用機関法人「自然科学研究機構」設立に伴い、同機構を構成する一研究所に再編。職員は231人。16年度の支出予算額は92億7000万円。収入予算のうち、84億6800万円が国の交付金。15年度の年間電気使用量は2700万キロワット時で、年間の電気代は4億7000万円。

(中日新聞)

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