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記事のスクラップ どこをどう頑張る?(2017年9月25日)

評価の基準 独自に考案 名古屋の中学 改善点 明確に

 気になる新聞記事を切り抜いて貼り、感想を書き込むスクラップノート。授業などでも手軽にできるNIE活動の一つだが、その評価方法は曖昧な場合も少なくない。名古屋市志段味(しだみ)中学校では伊藤達也教諭(56)が独自の評価基準を作って提示し、教員や生徒同士で評価する際に役立てている。生徒からは改善点が分かりやすく、目標が明確になると好評だ。 (世古紘子)

 9月上旬、2年C組であった伊藤教諭による社会科の授業。35人が3、4人の班に分かれ、8分間ずつスクラップノートを交換した。夏休み期間に取り組んだページを確認し、配られた表にあるA(大変良い)からD(努力が必要)の4段階評価から一つを選ぶ。一言感想の欄に「記事の数が少ない」「自分以外の意見も聞いて書いては」などと添えて次に回した。

 生徒は同級生の評価や他のノートから学んだことを基に、戻ってきた自分の表に改善点を書き込む。A、B、Cの評価を一つずつもらった楠さんは「もっと根拠のある意見を書くようにする。意味調べなど、もう一つ工夫を加えたい」と記した。


伊藤達也教諭(中)が設けた評価基準を参考に同級生のスクラップノートを読む生徒たち

伊藤達也教諭(中)が設けた評価基準を参考に同級生のスクラップノートを読む生徒たち

 2年生は4月から週3回スクラップノートに取り組み、1年間続ける。伊藤教諭は主に学期ごとに評価を出し、夏休み明けの9月は生徒同士で批評する機会を設ける。

 いずれの評価も、伊藤教諭が設けた基準に照らし合わせて行うのがポイントだ。例えばAは「記事が15以上あり…根拠のある自分の考えが記述されている」、C(もう一歩)は「10未満で…考えも単純で簡単なものが多い」と記事量や感想の書き方を主眼に定めた。分かりやすい文章を心掛け、ほかの教員もチェックして完成度を高めた。

 そもそも基準を設けたのは評価方法が不明瞭だったから。NIEには30年以上取り組むが、評価方法については「踏み込んだ議論がされず継続的、体系的に確立されたものがなかった」と指摘する。そのためやりっ放しで終わったり、評価が教員による丼勘定になったりも。客観的な“物差し”を示せば「人によって評価が変わることもない」。


スクラップノート(右)について同級生の評価が書き込まれた表=いずれも名古屋市の志段味中で

スクラップノート(右)について同級生の評価が書き込まれた表=いずれも名古屋市の志段味中で

 何を頑張れば評価につながるかが明確であれば、生徒も取り組みやすい。名本君は「評価基準が分かりやすく、自分の場合は記事の量や感想を増やすことが大事だと分かった。次はA評価を目指して頑張りたい」と意欲的に語る。

 教員だけでなく生徒同士で評価し合う機会は「良い作品から学びとってほしいと考えたから。他の人の考えに触れられることも大きい」と伊藤教諭。伴君は「同じ記事でも人によって書くことが違う。難しいと思っていた事件の記事も、友達のノートを参考に挑戦したい」と話す。

 伊藤教諭や同級生からの評価を得て、生徒たちは記事中の言葉を調べたり、重要部分にマーカーを引いたりとノートを進化させてきた。伊藤教諭は今後、より細かい項目に分けて評価基準を定めることも考えている。「どんな教育活動も評価は必要。生徒が段階を踏んで進むことができるし、モチベーションもあがる」と意義を話す。

(9月24日付 中日新聞朝刊15面より)

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